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認知症である父の不動産は売却することができますか?相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 02 / 17 / 金

実家で1人暮らしをしていた父の認知症が悪化し、自分で身の回りのことも出来なくなったため、施設への入所を検討しています。しかし、私たちは子供の教育にお金がかかるため、施設への入所金や毎月の費用を負担するほどの余裕が一切ありません。父の唯一の財産である自宅を売却すれば、その代金で施設の費用をまかなうことが出来るのですが、知人に相談したところ、認知症だと自宅を売却するための契約が出来ないのでは?と言われてしまいました。

どうしたらいいでしょうか・・・・・

 

 

最近このようなケースのご相談が多くなっています。

なぜ、契約が出来ないのか?どうすれば解決出来るのか?を

3つのポイントでお伝えしたいと思います。

 

 

1.自宅を売却する契約が出来ないのはなぜでしょうか?


契約は、お互いの意思表示が合致したときに成立します。例えば、土地を売却したい人と購入したい人の条件が一致すれば、その時に売買契約が成立することになります。つまり、契約の当事者の意思表示が契約成立のための大事な要素となります。

つまり、認知症が悪化して、契約の内容を判断できないということは、そもそも土地を売却するという意思表示をすることが困難なため、契約を成立させることが出来ないということになります。

 

 

2.それでは、売却をあきらめるしかないのでしょうか?


今回のケースのように、お父様がご自宅で1人暮らしが困難な場合、施設に入所して身の回りの介護をしていただくことは、お父様にとっても大事なことだと思います。

施設の入所費用の捻出のためにご自宅を売却するしかない場合は、成年後見制度を利用して不動産を売却することが可能となります。具体的には、家庭裁判所に成年後見の申立てを申請して、お父様の代理人である後見人を選任してもらい、その代理人がお父様に代わって財産管理や契約行為を行うこととなります。後見人は親族になる場合や司法書士、弁護士等の専門家が就任することもあります。ちなみに、第三者である司法書士が後見人に就任した場合の報酬は、家庭裁判所が決定することになります。後見事務や管理する財産の金額によって変動がありますが、月に2万5000円から4万円前後が相場となります。

当事務所で成年後見申立までのお手伝いをすべてさせていただく場合の報酬はトータルで10万円前後となります。

 

 

3.売却まではどれくらいの期間がかかりますか?


成年後見の申立てには、申立書・申立に関する事情説明書、戸籍・医師の診断書をはじめとする添付書類の収集、財産目録・年間の収入収支の作成をしたうえで家庭裁判所に申立てを行います。申立てから選任の審判まで約2ケ月から3ケ月の期間がかかります。手続き中で医師の鑑定を必要としない場合、1ケ月以内で審判がおりることもあります。

 

なお、ご自宅を売却する場合は成年後見の申立ての他に、別途、居住用不動産を売却するための許可が必要となり、この手続きには1ケ月前後かかります。この許可がなく不動産を売却した場合は無効となりますので、注意が必要です。

 


 

このように、家庭裁判所での手続きは必要となりますが、成年後見制度を利用することで、ご実家を売却してお父様の施設入所の費用に充てることが出来ます。成年後見制度はあくまで、財産管理や身上監護(ご本人が適切な生活をおくれるように介護保険、病院、施設などの手続きや契約をすること)の必要に迫られているご本人を保護する制度です。よって、相続人の相続対策のためにアパートを建築して借り入れを行う行為や、ご本人の財産を子供に贈与するためにこの制度を利用することは出来ません。

 

判断に迷われることがありましたら、当事務所までお問い合わせください。

 


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