仮想通貨の「ビットコイン」が分裂して、同量の「ビットコインキャッシュ」が付与されたことについて書いてきましたが、株式もビットコインと同様に自分が所有している株式と異なる株式を割当したり、分割して増やすことが出来ますので、そのことについて書いてみたいと思います。
通常、株主は資本金を払い込みすることで手持ちの株式を増加することになるのですが、会社法183条の「株式分割」と会社法185条の「株式無償割当て」の制度を利用すると、お金を支出することなく手持ちの株式が増えることとなります。
株式分割は、1株をある割合で分割させることで株式を増加させることになります。例えば、1株につき5株に分割することになると、写真のバームクーヘンのように1株が5株に細分化されることとなります。
つまり、大きなバームクーヘンが5つになるのではなく、1つのバームクーヘンが5つに分割されるだけですので、分割前と分割後で価値が変わることはありません。
例えば株式で考えると、1000円の株を100株(価値は10万円)持っている状態で、1株につき5株に分割することとなると、200円の株を500株(価値は10万円)となるだけですので、理論上は価値が変わりません。
どういった場合に株式分割が行われるかというと、株価が高くなってしまった場合に、株式分割して1株の金額を下げ、株式を購入しやすいようにすることで、株式の売買が増えて流動性が高まることになります。そうなることで、理論上は価値が変わらないはずなのですが、結果として株式分割前より株価が上昇することがあります。
また、今まで分割前の100株を所有することで、株主優待制度の対象となっていた場合に、株式分割後でも、今までどおり100株の所有で株主優待制度の対象となる場合は、実質、今までの5分の1の株式所有で株主優待制度の対象となるため、制度拡充に該当することで、やはり株価が上昇していくこととなります。
この株式分割は、細胞が分裂していくようなものなので、分裂後も同じ細胞となるのと同様、株式も同じ株式が分割されていくこととなるため、普通株式を分割して優先株式が生まれていくということにはなりません。仮想通貨のビットコインでいうならば、ビットコインを分割した場合にはビットコインを取得するのであって、今回のようにビットコインキャッシュを取得したことは、株式でいう株式分割にはあたりません。
今回の新仮想通貨の割当ては、株式でいう「株式無償割当て」が類似の制度だと思います。明日は、もう一つの制度である株式無償割当てについて書いてみたいと思います。