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株主=取締役1名の会社はご注意! その4 相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 06 / 20 / 火

 

昨日の続きです・・・

 

昨日は、属人的株式の制度を使った対策をご紹介しましたが、今日は他の方法は無いのかを検討してみたいと思います。

 

将来、認知症となったり病気で判断能力が喪失した場合に備える方法として、「任意後見制度」があります。

 

これは、社長が元気な時に、後継者や信頼できる人との間で任意後見契約を締結し、自分が将来そのような状態になった時に株式の議決権を代理行使できるようにする方法です。

 

会社法第310条において、議決権の代理行使が認められているため、任意後見人が任意後見契約の効力発生後に、自社株式の議決権の代理行使を行うことは可能です。(ただし、代理人の資格を株主に限る旨の規定が定款にある場合は、削除や変更する等の検討が必要です。)

 

ただし、個人的には、後見制度が本人の財産を管理する制度であること、必ずしも任意後見人が事業に精通して経営的に正しい判断ができるとも限らないので、例えばその会社を廃業させたり、M&Aで会社を売却するなど、会社の存亡に関する決議まで、任意後見人の立場として代理行使してもいいのかについては、疑問ですので、任意後見制度ですべて賄えるとは考えておりません。

 

そこで、他にどのような方法があるのかというと、「株式を信託」する方法があります。

 

「委託者」を社長、「受託者」を後継者または信頼できる人、「受益者」を社長とし、「指図権者」も社長とし、万一の場合にどのように当事者を変更して承継させるのかも信託契約に盛り込み契約を締結します。

 

このようにすると、社長が元気なうちは、社長が受託者に「このように議決権を行使してくれ」と指図することができ、受益者も社長のため配当等の利益も社長に帰属することとなり、今までと何も変わることがありません。

(ちなみに、委託者=受益者の場合は贈与税もかかりません)

 

そして、社長が指図権を行使出来なくなったときに、信託契約の内容に従って、後継者が社長に代わって議決権を代理行使することができ、契約にその旨を規定しておけば、社長が万一にお亡くなりになった場合の株主の地位も後継者等に帰属させることもでき、認知症対策と相続対策の両方を行うことができます。

(費用はかかりますが、受託者を信託銀行や信託会社などのプロに依頼することも可能です)

 

信託契約は、それぞれの背景によって設計していく必要があるのですが、設計次第で万一社長が意思表示ができなくなった時もお亡くなりになってしまった時にも備えることが可能となります。

 

お客様の置かれている状況によって、どの仕組みを利用するかを選択をしていかなければなりませんが、株主も役員も1名の状態をそのまま放置というのは「リスク」になるということだけでも、認識いただければ幸いです。

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