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遺産分割の5つの方法!相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 03 / 14 / 火

ご両親がお亡くなりになった場合、遺言がない場合は、法定相続の割合によって相続をするか、相続人全員で遺産分割協議を行い、合意した内容にしたがって財産を分配することになります。

具体的には、どのような方法で分配をすればいいのでしょうか?

5つの遺産分割の方法をご紹介させていただきます。


1.現物分割型

相続財産として、不動産と預貯金等があったとします。現物分割とは、長男と長女が相続人だった場合に、長男が不動産、長女が預貯金というように、現物を分けて相続する方法です。

相続財産が数種類あり、その取得財産について各々の相続人が合意している場合は、この方法が簡単です。実務上もこの分配方法が多いのではないかと思います。

ただし、不動産の評価が5000万円あるのに、預貯金が1000万円しかない・・・など相続財産の価値が異なる場合は、相続人間で平等に財産を分けることが出来ず、現物分割の合意に至らないこともあります。

また、そもそも不動産が一箇所しかないとか、経営していた会社の株式しかない・・といったように、相続財産が1種類しかない場合は、物理的に現物分割をすることが出来ません。

最近は、施設入所や医療費等に高額な費用がかかるため、相続が発生するまでに預貯金を使ってしまい、ご自宅の不動産しか相続財産がないケースも多く、複数の相続人でのお話し合いがなかなかまとまらないことがあります。


2.代償分割型

上記のように、相続財産がご自宅の不動産しかなく、現物分割では相続財産を分配することが出来ない場合は、代償分割による方法を検討します。

代償分割とは、不動産を長男が取得する見返りとして、長男が自分の預貯金などから他の相続人である長女に対価を渡して相続をする方法です。

ただし、長男が現金を持っていないなど支払能力がない場合や長女への対価を支払う意思がない場合は、遺産分割の協議が成立しないこともありますが、そのような事情がなければ、相続財産が不動産しかない場合でも、長男が単独で相続することが出来るので、検討をしてみる必要があります。

なお、代償分割をする場合は、対価の支払いによって贈与税等の思わぬ税金が課税されないよう税理士とも相談のうえですすめていくようにします。


3.換価分割型

それでは、相続財産が不動産しかなく、長男に支払能力がない場合は、どうしたらいいでしょうか?

このような場合は、換価分割という方法があります。換価分割とは、長男が代表して不動産を相続した後に不動産を売却し、その売却代金の中から、長女へ現金を分配する方法です。売却代金の中から相続人が合意した持分に応じた分配がされるので、相続人間で不公平が生じることもありません。

長男だけが不動産を相続して、売却代金を長女に渡すのは贈与にあたるのでは・・・と思われる方もいらっしゃいますが、国税庁のHPで贈与にあたらないとの見解が出ています。国税庁HPリンク

ただし、換価分割であることや売却代金分配の割合については、遺産分割協議に記載する必要があるので、注意が必要です。

なお、不動産が地方にあったり、最寄の駅から離れていて需要がない・・という場合は、売却に時間がかかったり最悪のケースは売れないこともあります。よって、換価分割による協議をする場合、事前に不動産会社とも打ち合わせの上うえ、相場観を調査しておく必要があります。

また、相続人が住居として不動産を利用する必要があるなど、売却ができない事情がある場合は、換価分割を使うことは出来ません。


4.共有型

長男が不動産を住居として利用する必要があるけれども、相続分を主張している長女に対して支払う現金がなく、現物分割も代償分割も換価分割も出来ない場合は、やむをえず不動産を共有にする方法があります。

つまり、長男が引き続き住居として利用することも認めてあげるし、自分もすぐに現金が必要でない場合は、長男と長女で2分の1づつ不動産を共有状態にしておきます。

長女は長男から持分に応じた家賃を支払ってもらい、長男が不動産を住居利用する必要がなくなった際に、売却することで共有状態を解消し、現金に変えていくことができます。

共有にすると、共有者全員の合意がないとご自宅を売却できなかったり、さらに相続が発生すると共有者が増えて権利関係が複雑となることがあるので、今後も所有していく不動産などについては、共有状態を避けるべきですが、どうしても上記の方法で相続人の合意に至らない場合は、共有にする方法もあります。


5.放棄型

長男が親と同居して最後まで世話をしてくれたとか、代々○○家は長男が相続している・・・・など、長女が自分の相続権を主張しない場合はどうでしょうか?

つまり、対価を支払うことなく、すべての財産を長男に相続させることについて長女が合意している場合、「相続財産すべてについて、長男が取得することとする」という内容の協議書を作成します。

お客様から、「私は相続放棄をするので、長男に相続させてあげてください」とよく言われるのがこのケースで、事実上の相続放棄のようなものです。

ここで、注意が必要なのは、プラスの財産については、相続放棄の効果がありますが、マイナスの財産については、債権者といって、借金の貸し手には効力がありません。

(このような場合は、事実上の相続放棄でなく、三ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きを行う必要がありますので、ご注意ください)

 

よって、マイナスの財産がないことが確実の場合は、遺産分割協議で長男だけが相続する協議書を作成します。そうすることで、家庭裁判所で相続放棄の手続きをする手間と費用をかけず、結果として、長女が相続放棄をしたのと似たような効果が発生し、長男だけが財産を相続することとなります。

当事務所では、現物分割に次いで、多い分割の方法かと思います。


 

このように、相続財産の種類、相続人の人数、相続人間の人間関係、支払能力、生活環境など、あらゆることを考慮しながら、遺産分割協議書を作成する必要があることもあります。

遺産分割の方法で迷われているお客様は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。


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