仕事をしていると、同業種の方だけでなく、まったくの異業種で活躍されている方の本やテレビから刺激を受けることも多々あります。一見、自分の仕事と関係なさそうなことだと思っても、実は自分の仕事に活かせる気づきが多く含まれていることがあります。
以前、友人から紹介された、肝臓外科医の高山先生の動画もそのひとつです。
(NHKプロフェッショナル仕事の流儀第278回に出演されていらっしゃいますので、興味のある方は検索してみてください)
友人も、仕事で疲れた時や落ち込んだ時、モチベーションアップするために見ているということだけあって、この先生の信念を聞いていると、自分の心も揺さぶられる感じがします。
この動画から学んだことや感じたことをお伝えしたいと思います。
1.まずは相手の不安を取り除くこと
医師は、難しい手術の際、はじめにどのような言葉をご家族に投げかけられているのでしょうか?
・病状のお話
・生存率のお話
・万一の場合対する同意書のお話
・手術に対するリスク
・・・・・様々なことが考えられると思います。
高山先生が素晴らしいと思ったことは、まず、患者の不安を取り除くために笑顔で
「お任せください、がんばって手術しましょう・・」
と患者に寄り添い、一緒にがんばっていきましょうね!というメッセージを、最初に伝えていらっしゃること。
その言葉によって、患者さんが、手術の前から「もう助かったと!」一様に安堵の顔を浮かべられていらっしゃるのが印象的でした。
さらに、
「心配は私たちがします。不安なことはすべてこちらで引き受けますから・・」
患者さんにとって、なんと心強い言葉でしょうか・・・。
当事務所も、お客様から、
「休日にもかかわらず話を聞いてくれただけで安心した。」
「いろんなところで断られてきたので、相談にのってもらえるだけで助かった。」
「ずっと不安に思っていたことを代わりに解決してもらい感謝しています。」
というお言葉を頂戴しますので、ご相談者にとってご不安に思っていらっしゃることに、まずは目を向けることが大事だと感じております。案件によっては、リスクヘッジをすることから考えなくてはならないこともあるかもしれませんが、まずはお客様のお話をお伺いし、不安なお気持ちを共有できる姿勢が必要だと思います。
2.自分が楽になるために手抜きをしない
もうひとつ共感したのは手術方法です。
手術の際、手間のかかる止血も、患者さんの手術後の負担を考え、念入りにされていらっしゃいます。切除しては止血、少し出血が確認されたら止血の繰り返しです。その結果、平均的な出血量よりもだいぶ少ない出血で手術をこなされていきます。
また、手術の方法が2パターンあった場合、選択した方法が医師にとってストレスのかかる高度なものであったとしても、患者の身体にとってベストな方法であるのであれば、ためらうことなく難しい方法を選択されていらっしゃいます。
命がかかる場面で、自分にかかる責任をかえりみることなく、患者の立場で物事を判断される姿勢は、プロフェッショナルそのものです。
職務をおこなうにあたり、私も、ぜひ参考にしたい姿勢だと思います。ただ、常に意識しておかないと人間楽な方を選択しがちです・・・・。
3.本心は誰でも不安?不安を力に!
常にそんな極度の緊張を強いられる高山先生も本心は不安の連続とのこと。
しかし、その不安から逃げることなく、逆に力にかえ、プラス思考で準備をし、数ある難題を強靭な精神力で乗り越えられていらっしゃいます。
仕事でも、はじめての案件や困難な案件は誰でも不安です。正直、私もそうです・・。
ただ、誰だって最初からすべて完璧にできる人はいません。自分が不安だから逃げるのではなく、お客様の不安をとりのぞくために、自分で出来ることは対応させていただく心構えが大事ではないかと思っております。
ちなみに、高山先生は、手術の道具にも大変なこだわりをもっていらっしゃいました。そういえば、いい料理人もいい道具をもっていて、毎日丁寧にメンテナンスしていますね。
プロとは何か?・・・そんなことを考えさせてくれる高山先生に関するお話のご紹介でした。