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株式報酬制度! 相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 04 / 03 / 月

今日の日経の法務面に、役員報酬制度についての記事が掲載されておりました。どれも業績に応じて役員報酬を支払うための制度です。

 

一番有名だと思われるストックオプション、業績に応じてポイントを付与して将来的にそのポイントに応じて株式と交換する信託型、そして譲渡制限付株式の制度の3つの制度の比較がされておりました。

 

ストックオプションと信託型はともに将来のある一定の時期に株主となるため、権利付与の時点では株主ではありません。一方、譲渡制限付株式制度の場合は、付与時点から株主としての地位を有することとなります。

 

ちなみに、この譲渡制限付株式制度は、中小企業の大半の会社が発行している譲渡制限付株式とは異なり、上場会社が役員報酬として取締役に株式を割り当てる際に、一定の期間は譲渡等を制限する契約を締結することで、期間内の譲渡等ができないようにするものです。譲渡制限期間内に所定の業績を達成した場合には、その達成割合に応じて、株式の譲渡に関する制限が解除される仕組みとなっています。つまり、市場で売却して現金化をすることができるようになるわけです。ちなみに、譲渡制限が解除されなかった場合は、無償で株式を会社に返還するように設計されます。

 

ちなみに、この譲渡制限付株式を取締役に発行する場合、証券会社の専用口座で株式を管理をすることとなるため、取締役が契約に反して株式を売却することができません。譲渡制限が解除された場合に、専用口座から各取締役名義の一般口座に振替えがされて、株式の売却が可能となります。また、譲渡制限が解除されなかった場合は、会社の自己株式口座に株式が振替えられることより、無償返還することとなります。

 

この制度のスキームは、まず、譲渡制限付株式に相当する金銭報酬債権を取締役に支給することを行います。その後、譲渡制限付株式制度に基づく株式発行の決議を行い、この金銭報酬債権を会社に現物出資をすることで、普通株式を取締役に付与することとなります。その際、会社と取締役との間で当該株式を譲渡等することができない契約を締結し、また、取締役会において譲渡制限期間や業績達成条件や運用方法など、条件面について決定をすることとなります。譲渡制限の期間は、中期経営計画の期間にあわせて3年から5年で設定することが考えられます。

 

会社法では、無償で株式を発行することや労務によって現物出資をすることが認められていないため、役員に報酬として無償で株式を渡すことができませんでした。そこで、このような金銭報酬債権を付与し現物出資を行うという手法を採用することで、同様の効果を発生させることができるようになりました。

 

業績達成条件については、会社によってどの指標をとるかが分かれると思いますが、例えばある指標におしての実績の数字が○%以下なら解除率0、つまりすべての株式を無償返還、○%超○%未満は50%、つまり、付与された株式の半分を自由に処分できて半分は無償返還、○%以上は100%、つまりすべての株式を自由に処分できる(市場で売却して現金に変える)・・・といった定め方をします。

 

日本の企業はまた固定報酬が中心です。しかし、このような業績連動型の報酬制度を導入して、有能な人材を確保して業績向上アップを目指す企業がこの先増えてくると思います。私たちも、いろいろな手法を考えて企業の支援ができるようにしてかなければ・・と感じさせられた記事でした。

 


 

 

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