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フィンテックの進化!相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 03 / 31 / 金

 

 

金融とIT技術を組み合わせたフィンテックのサービスが続々と展開されております。個人的に、このフィンテックの中のブロックチェーンという技術についてとても関心があります。この技術は仮想通貨にも利用されておりますが、将来的には不動産の売買や登記手続きにも応用され、私たち司法書士業界を取り巻く環境が変わるかもしれない・・・と思っております。

 

ブロックチェーンという言葉だけで聞いていても?だらけなので、実体を理解するために、まずは仮想通貨を購入してみました。私が購入した仮想通貨は「ビットコイン」です。以前、「マウントゴックス」という取引所が、サイバー攻撃を受けて仮想通貨が盗まれた・・・という報道がありました。結果的には取引所の不正で消失したことがわかった事件でしたが、ブロックチェーンのことを知るまでビットコインに対するイメージは正直あまりよくありませんでした。

 

しかしながら、いろいろ調べていくと、仮想通貨自体の技術に問題があったわけではないようですし、逆にセキュリティーが強固な技術であることがわかりました。ビットコインを購入する際は、取引所から購入する必要があります。いくつかの取引所があるのですが、メジャーな取引所である「ビットフライヤー」という取引所で購入してみました。【ビットフライヤーHP

 

口座を開設するのも、すべてオンラインで完結です。

(4月1日からは、資金決済法及び犯罪による収益の移転防止に関する法律が改正されるため、取引所から本人宛の郵送での本人確認が必要となるようです)

 

口座を開設して早速購入してみましたが、法定通貨と異なるのは、日々価値が変動するということですね。お金であれば、1万円札は1万円の価値ですが、ビットコインの場合は価値が一定でないので、投資として利用されている方もいらっしゃいます。

 

ちなみに、法定通貨は、政府や日本銀行が発行しており、供給量もコントロールすることができ、いわゆる中央集権型の仕組みとなっております。また、私たちは法定通貨であるお金を銀行に預けることになりますが、預ける際は各銀行が中央集権的な役割を担うこととなります。つまり、お金を銀行に預けることで、資産の管理を銀行にお任せすることとなり、金融機関は大規模なサーバーシステムを維持したり、セキュリティー強化のために莫大な費用を投入しているわけです。

 

一方で仮想通貨は、管理者がいない非中央集権のシステムとなっており、供給量もプログラミングで制御されていて後から変えることができないシステムとなっているようです。政府や日本銀行に頼ることなく、不特定多数のコンピュータで、仮想通貨に関する情報を分散して管理するようなシステムとなっており、銀行のような大規模なサーバーは不要となります。


【イメージ図】

経済産業省ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸ver1.0より引用

 


中央集権のシステムを利用する場合においては、中央集権の機関を信用するしかありません。日本でも過去に預金封鎖が行われ、銀行に預けたお金が引き出せなくなりましたが、それは、中央集権の機関がシステムをコントロールしているためです。

 

非中央集権の場合には、そのような機関を置くことなく、権利や価値などの状態を1つの固まり(ブロック)として記録し、それらをつなぎあわせて(チェーン)ネットワーク上で分散して共有することとなります。 中央集権のシステムの場合は、その1箇所のサーバーが攻撃されて情報が改ざんされてしまったら大変なこととなりますが、分散型であるブロックチェーンの場合は、ネットワーク上に情報が分散していて、すべての情報を改ざんするのができないため、セキュリティー上も安心だといわれています。ネットワーク上で展開されるので、国境なども関係ありません。

 

今日の日経新聞の総合2面に、仮想通貨技術を利用して、国際送金のサービスをはじめるとの記事がありました。今までは、国際銀行間通信協会を通じて情報をやり取りし、複数の銀行を中継して資金を送っていたのを、連携している銀行間なら直接資金を送金でき、即時決済が可能になるとのことでした。本来であれば中央集権な立場にある銀行も、非中央集権的なシステムを活用せざるを得ないほど、この技術が進化していることをこの記事を読んで感じました。

 

私たちの不動産登記手続きも法務省の情報やシステムを利用して業務を行っています。つまり、法務省が中央集権の役割をしているわけです。もし、このブロックチェーンのシステムが不動産登記の手続きに応用された場合に、どのようなことが起こるのでしょうか?

 

まだまだ、完全にブロックチェーンのことを理解しているわけではありませんが、調べてみると、すでに、このシステムを不動産取引に応用するために実証実験を行っている企業もありますし、スウェーデン政府がブロックチェーンを利用した登記の実証実験を開始するとの記事もありました。

 

企業も政府もこの技術に関心があるということですね。

 

インターネットが「情報」をつなぐネットワークなのに対し、ブロックチェーンは、「価値」をつなぐネットワークとなります。技術の進歩が私たちの業務にどのように影響するのか見守っていきたいと思います。

 


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