ヤマト運輸がアマゾンの当日配送から撤退するとのニュースを見ました。人手不足とサービスを天秤にかけて、人手不足による弊害が大きいため、サービスが縮小しても止むなしと判断したようです。
日本郵便がその引き受け先になるようですが、便利さとスピードを武器に成長してきたアマゾンは、今後どのように事業転換するのでしょうか?
アマゾンといえば、ネットで注文すると3万5000円の一律の金額で、法事や法要にお坊さんを派遣してくれるという、今までは考えもつかなかったサービスを取り扱っています。以前からある、「みんれび」という会社の「お坊さん便」というサービスをアマゾンが窓口として取り扱ったことで有名となりました。 【みんれびHP】
年間130万人もの方が亡くなる多死社会ですから、お坊さんを必要とする場面が多くなっていると思います。昔は、何かおきたら先祖代々お世話になっている菩提寺にお願いして・・・・ということが一般的でしたが、最近は核家族化が進んだり、故郷を離れて生活している人も多いので、いざ!というときに頼れるシステムがあるのは便利です。しかも、金額が一律という点も利用者からすると安心ですね。
お坊さんに関する費用は値段があってないようなものですので、いくら支払えばいいのかを不安に思われる方が多いのではないかと思います。お坊さんをネットで派遣することについての是非はともかく、社会的な背景や利用者のニーズをうまく取り込んだ仕組みだと思います。
ビジネスの視点で考えると、川上の立場にいたお坊さんがこのシステムでは川下の立場になってしまい、金額もシステムを提供する会社に主導権をとられてしまったということになりますね。アマゾンによる集客で、今までより法要の機会に恵まれたとしても、3万5000円という単価は仏教界にどのような影響を与えるのでしょうか?
利用者へのサービスを追及しすぎることで、僧侶派遣サービスもヤマト運輸の配送サービスと同じ運命をたどることになってしまわないのか? そんなことをふと感じた記事でした。