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会社設立のポイント!その1 相模大野の司法書士からのアドバイス

2017 / 03 / 19 / 日

三連休中も普段と変わらず仕事に没頭しております・・というと聞こえはいいのですが、たまった仕事を一気に仕上げようと奮闘中です。平日は電話応対に追われてしまいますが、休みの日は好きな音楽を流しながら、自分のペースで仕事を進めていけます。平日の時間の流れとまったく異なり、リラックスして仕事が出来るので、考え事の必要な仕事は特にはかどります。

 

さて、今の会社設立の仕事をしています。振り返ると、今月も数多くの会社設立に携わらせていただきました。そこで、これから株式会社の設立をお考えの方に、ちょっとしたポイントをお伝えしたいと思います。


 

株式会社を設立する際にまず行わなければならないのが、定款の作成です。定款は会社の根本規則となります。定款には、絶対的記載事項と呼ばれるものがあり、これを落としてしまうと会社設立が出来なくなってしまいます。絶対的記載事項は会社法の中に定められていまして、

1.目的

2.商号

3.本店の所在地

4.設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

5.発起人の氏名又は名称及び住所

その他、発行可能株式総数も定款に定めるように規定されています。

 

まずは、1.目的について考えてみたいと思います。

目的とは、例えば、飲食店の経営、不動産の売買、建築工事業など、会社が営む事業がどういうものか記載されます。

 

目的は、平成18年の会社法施行前まで

①具体性

②明確性

③適法性

④営利性

の要件が求められておりました。平成18年の会社法施行後、具体性についてのみ、登記官の審査対象とならないる旨の通達が出ました。つまり、目的を定款に定める際、具体性については考慮する必要がなくなったということです。

 

ちなみに、目的に定めた事業の種類が、社会通念上判断できるように具体的に定められているか判断されるのが具体性です。登記官によって、具体性に対する審査基準が異なることもありまして、会社設立の際は目的相談事例集で調べたり、際どい目的については、事前に法務局に行って相談するなど、いろいろと手間がかかっておりました。

審査対象にならなくなったことで、例えば「商業」「販売業」「代理業」など、具体性のない目的も登記することができるようになりました。しかし、その目的が許認可事業などの場合は、登記が完了しても管轄官庁で許認可を受けれないこともありますので、注意が必要です。よって、当事務所では、引き続き具体性のある目的をお客様にご提案しております。

 

次に明確性は、具体性と似ているのですが、目的の中に用いられている語句の意味が明らかで、目的全体の文意が明らかであることが求められます。例えば、新しい言葉、専門用語、外来語については、広辞苑やイミダスなどを参考して判断されます。例えば、まだインターネットカフェが広く認知されていなかった時に「インターネットカフェの経営」という目的は登記が出来ませんでした。また以前は目的にローマ字を使うことが出来ず、ローマ字を使った場合は明確性がないと判断されて登記が出来なかったのですが、「CD-ROM」「LAN工事」など、広く社会に認知されているものについては、目的に利用できることになりました。特に専門職の方の設立の場合、あたりまえに使用している言葉が一般的でないこともありますので、そうような場合はネット検索をしたり現代用語の基礎知識などで調べることもあります。

 

適法性ですが、公序良俗又は強行法規に反する事業を目的に定めることはできません。たとえば、弁護士でない人が「弁護士事務所の経営」を目的にして株式会社設立をすることができません。ちなみに、従来は株式会社では行えないとされていた目的も、いわゆる特区で事業が行える場合もありますので、そのような事業を行う場合は最新の情報を調べる必要があります。

 

営利性についてですが、株式会社は営利行為、すなわち儲けるための目的で設立されるものなので、収益をあげることが出来ない目的を登記することは出来ません。例えば、「社会福祉の出費」「政治献金」などは登記が出来ません。なお、あくまで登記が出来ないだけであって、会社がそのような行為をすることまでは禁止をされておりません。

その他、株式会社が、新たに設立する会社の発起人となる場合、既存の会社の目的と新たに設立する会社の目的の一部が似ていることが求められます。こちらについては、うっかり見落としてしまうことがありますので注意が必要です。例えば、既存の会社が飲食業を営んでおり、新たに建築業を営む会社に出資して会社を設立する場合は、既存の会社の定款を変更して建築業を追加してその旨の変更登記をおこなってから行うか、新たに設立する会社に飲食業を入れて目的の一部をあわせる必要があります。

 

目的についての表現に迷うこともあります。特に新たな分野のビジネスであればなおさらです。そのような場合は、ネットで同じ事業をしている上場企業を検索して、その会社の謄本を取り寄せるのがおすすめです。

 

上場企業ならではのアイデアが盛り込まれており、参考になります。また、公証役場や法務局で何か言われた場合でも、その謄本を見てもらうことで納得してもらうことができます。最近では、上場企業の謄本収集が趣味となっており、取得した謄本をエバーノートに保存して事務所内で共有しております。上場企業の謄本から学ぶことは非常に多いですね。

ちなみに、インターネット謄本は335円で取得できますので、コーヒー1杯分で盛りだくさんの情報が取得して勉強できると思えばかなりお徳です。

明日は、商号についてお伝えしたいと思います。


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