昨日、日銀が発表した3月の日銀短観で人手不足の問題が顕著になっているようです。最近ではクロネコヤマトのドライバー不足が問題となり、配達サービスの縮小が発表されたり、24時間営業だったチェーン店が、24時間営業を取りやめたりと、企業の成長力を阻害しかねない要因となっています。
人手不足によるコストを製品の価格に転嫁できればまだいいのですが、この時代なかなか値上げをすることについてお客様の理解を得るのは困難だと思われます。そうなると、企業としてもいままでと同様のサービスを提供することが困難となり、結果としてサービスの縮小で対応しなければならないことで、今後の成長が見込めなくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
今日のNHKを見ていたら、人手不足で売上をあげている企業が紹介されておりました。私たちがファミリーレストランで食事をしたり、居酒屋で飲み会をするときにお店でよくみかける呼び出しボタンを製造している会社です。
呼び出しボタンをお店に置くことで、お客様がスタッフを必要とする時にボタンで呼び出しをすればいいので、他の作業に集中することができます。呼び出しボタンがなければ、お客様の注文を取ったり要望を見逃すことがないように、お店の隅々まで気を配るスタッフを配置する必要があるからです。
しかも、お客様の目線やメニューを広げたタイミングなど、ベテランになれば注文が入りそうな機会を上手く拾うことが出来ますが、新人ではなかなかそのようなことに気づくことが出来ないので、ボタンを置くことでそのような機会ロスを防ぐこともできます。いろんな業界からの発注があり、会社の業績が右肩上がりで成長されているようでした。
また、もう1社、IT技術を使って呼び出しボタンを進化させている仕組みを製品にしている会社も同じく紹介されておりました。HPで調べたところ、紹介されていた製品は「ヌードー」という呼び出しベルのようです。【ヌードー】
このヌードーという製品は、棒状のブロック型のベルとなっており、それぞれのブロック面に「注文したい」「お水がほしい」「片付けてほしい」「会計をしたい」「次の料理がほしい」といった内容が書かれており、お客様がスタッフに要求したいサービス面を上にしてブロッグを置くと、その内容がスタッフの手に時計のように身につけているウェアラブル端末に飛んでいきます。
単なる呼び出しボタンと異なり、お客様のところに行かなくてもお客様の要望を把握することができるので、すぐに要望に応じたサービスを提供することができます。しかも、それらの情報が蓄積されますので、スタッフの効率的な配置や待ち時間などを瞬時に把握することができ、それらのデータベースを活用することで、お客様への更なるサービス向上に役立てることができます。
IOT,ビッグデータ、ウェアラブル端末など最新のIT技術を使い、お店が直面している悩みを解決する仕組みを提供しているわけです。しかも、ベルの形がおしゃれなため、呼び出しボタンはちょっとマッチしないようなお店でも導入しやすいように考えられております。
人手不足など、悩みを嘆いていても環境が変わるわけではありません。人手不足の悩みをなんとか解消できないか・・・? このようにお客様の悩みに向き合ってあきらめることなく問題解決を図っていく姿勢が、お客様に支持され、新たな市場が生まれるきっかけとなるんだなあ、と改めて感じました。
今日のテレビで感じたことを、自分の業務にもぜひ活かしていきたいと思います。