高齢になって物忘れが多くなったり、一人暮らしをされていたりすると、ご自身の大切な財産を管理することに不安を感じられるお客様がいらっしゃいます。
私どもの事務所でも、訪問販売の被害にあったり、振り込め詐欺にあったり、悪質商法の被害にあったりと、今まで大事に貯めてきた財産を奪われてしまった事案に遭遇することがあります。
中には、ご本人が被害にあっていることに気が付かず、通帳の異変に気づいたご家族からご相談をいただくケースもあります。
特に高齢で一人暮らしをしている方ですと、普段会話をする機会がないため、突然訪問してきた愛想のいい営業マンに心を許してしまい、話し相手として家の中に迎え入れてしまうことがあります。気が付けば必要ない工事の契約をしていたり、高価な商品を買う契約をしてしまっていたということがあります。ひどい場合は、ほとんどすべての財産を持っていかれてしまっていた事例もありました。
また、最近では振り込め詐欺の手口も巧妙となっております。自分に限って大丈夫・・・と思っている人ほど被害にあわれているようです。最初はちょっとおかしいかな?・・と感じた場合でも、騙す相手は、本人に考える隙も与えず言葉巧みに誘導するために、頭がパニックになってしまうようです。そして、正常な判断が出来ずに言われたままの行動をしてしまい、被害にあってしまうのです。
それでは、そのような被害にあわないためには、どのようにして大切な財産を守っていけばいいのでしょうか?
このような場合に「信託」という方法があります。
(ちなみに、認知症などで判断能力が低下しているために被害にあっている場合は、成年後見制度による支援が必要となります。信託をする場合は、信託契約をする際に判断能力があることが前提となります)
信託とは簡単にいうと、信頼できる人に大切な財産を預けてその財産の管理処分をしてもらうことです。
例えば、高齢のお母様が遠方で一人暮らしをされており、大切な財産が狙われないかご心配な場合は、この信託の仕組みを使うとそのような被害にあうことを最小限に防ぐことができます。
詳しくは明日お伝えしたいと思います。