会社法が平成18年5月に施行されてから、10年以上が経過しました。
株式会社の取締役の任期は、会社法第332条で、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会の終結の時まで・・と定められております。簡単に言うと、2回目の定時総会までが任期となります。
以前の商法では、原則2年以内が任期となっており、上記と同様な扱いとなっておりました。よって、以前は、一律、2年毎に役員の手続きを行う必要があったので、役員の変更の時期の管理もそんなに大変なことではありませんでした。
ところが、会社法が施行されてから、この任期の管理が大変になりました。というのも、原則は2年以内の定時総会終結までなのですが、譲渡制限がついている会社、つまり、「株式の譲渡につき会社の承認を必要としている会社」(中小企業のほとんどがこの形態)の場合は、最高10年以内の定時総会終結まで、任期を伸張することが可能となったからです。
また、任期は短縮することもできるため、結果として1年・2年・3年・4年・5年・6年・7年・8年・9年・10年・・・と、どの会社が何年の任期なのかを個別に把握しなくてはならなくなりました。
定款の任期については、登記事項ではないため、登記事項証明書では確認することが出来ず、定款を確認する必要があります。ところが、中小企業ではきちんと定款を最新のものにアップデートしている会社も少ないため、会社の方でも、任期が何年かわからない・・・・という事態が生じることがあります。
また、以前のように2年の任期であれば、会社の方も頭の片隅に覚えていただいていたのですが、10年の任期になってしまうと、記憶だけで覚えておくことは大変なこととなります。
厄介なことに、10年の任期に気づかず、何の登記もせずに12年間経過してしまうと、法務局のほうで解散登記をされてしまうリスクもあります。【平成28年度みなし解散の案内】
みなし解散をさせられる前に、任期が経過していることに気づき役員変更手続きをした場合でも、本来登記すべき時期に登記をしなかったペナルティとして、過料(罰金)を支払なければならないことになってしまいます。
そういえば、最近ずっと役員変更の手続きをしていないなあ!?と思われた方は、会社の登記事項証明書と定款を確認してみてください。
昨年も、会社の登記事項証明書を取得したら、法務局のほうで解散の登記がされていて、あわてて継続の手続きをされた方もいらっしゃいます。
会社法施行から10年経過したこれからの時期は、このようなトラブルも増えてくると思いますので、今一度ご自身の会社の情報をご確認していただくことをおススメします!