今日は連休明けで、ご質問の電話や訪問の対応で午前中は終わってしまいました・・・・。
連休中の静かな時間がまるで嘘のようです。対応させていただいた今日のご質問の電話の中で、議決権に絡む悩ましい問題があったので、今日は議決権をテーマにしてみたいと思います。
株主になると・・・・・・・
①剰余金から配当を受ける権利
②会社が解散したときに残った財産の分配を受ける権利
③株主総会で議決権を行使する権利
以上の3つの権利を有することとなり、原則的には、多く出資した株主にその出資に見合うだけの権利が付与されることとなります。
上記③の議決権を行使する権利ですが、例えば会社内部で紛争が生じた場合、議決権をより多く保有しているほうが有利となることがあります。つまり、「数は力なり・・」の結果となるわけなのです。
数年前に、大塚家具で創業者である父と社長である娘との間で勃発した経営争いの際に、より多くの議決権を確保するために、株主総会に出席しない株主に対し、2人の間で議決権行使の委任状争奪戦が行われていたことを覚えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
しかし、株主が株式を保有する一定の割合によって、その行使できる権利や決議を成立させられる内容が変わってきますので、ただ多く株式を保有するということではなく、保有割合に応じてどのようなことが出来るのかを意識しておく必要があります。
よって、
・友人と会社を設立する場合
・第三者の出資を受け入れる場合
・合弁会社を設立する場合
・・・・・・・など、身内以外の第三者が株主となる場合においては、自分の議決権割合もそうですが、相手方の議決権割合についても常に意識しておく必要があります。
「昔から仲の良い友達だから」
「資金を投資してくれるから」
「信用できる取引先だから」
といって、安易に自分自身の議決権割合を低下させるようなことをしてしまうと、主従関係がなくなって経営方針でもめる原因をつくることになったり、気がついたら会社を乗っ取られてたり、会社の機密事項を開示しなければならなくなるはめになってしまったということにもなりかねません。
そうならないよう、議決権保有割合の数字のうち、まずは以下の5つの数字については、おさえておいていただきたいなあと思います。
≪議決権割合≫
1.3分の2以上 【株主総会の特別決議を成立させられる】
2.2分の1超 【株主総会の普通決議を成立させられる】
3.2分の1以上 【株主総会の普通決議を阻止できる】
4.3分の1超 【株主総会の特別決議を阻止できる】
5.100分の3以上 【会計帳簿閲覧請求権がある】
続きは、明日お伝えさせていただきます。