アスクルが実施していた、当日配送のサービスの大半が休止されるようです。
配送を委託しているヤマト運輸が、人手不足に伴うサービスの見直しで、アスクル側に休止要請をしたようです。
ヤマト運輸は、運賃の値上げ、荷物量の抑制、人材雇用、サービスの見直しなど、人手不足問題に対して様々な改革に着手しています。
ヤマト運輸は、これまで、お客様のニーズをまず取り込むことで宅配便のシェアを高めてきました。宅急便ビジネスを成長させた小倉さんの「サービスが先、利益は後」という名言が会社の姿勢を表しています。
それでは、人手不足に伴ってどのようなことがおきているのでしょうか?
おそらく、サービスと労働力のバランスが崩れてしまってきているのではないかと思います。というのも、今までは差別化をはかるために、タダでいろいろなサービスを展開してきました。
再配達、時間指定、夜間配達、翌日配送など・・・サービスをすればするほど、ドライバーへの負担がかかってくることになります。しかも、サービスをすればするほど、お客様側ではそのサービスが当たり前となってしまい、さらなる差別化をはかるためにサービスを・・・・との悪循環に陥ってしまうことになります。
しかも、外国のようにサービスに対してチップを支払う習慣が日本にはありませんから、サービスを追加したとしても大半の人は「タダ」という認識しかもっておらす、タダで追加サービスを提供し続けることになります。
よって、どうせタダなんだから・・・・ということで、本当にそのサービスが必要なのかどうかを考えることなく、サービスを利用してしまっている結果がこのような事態を生み出しているのではないかと思います。
荷物の配達の際に不在であれば、営業所まで取りにきてもらうか、再配達は別料金にする。急ぎでなければ、翌日配送にはせず、どうしても翌日に荷物を受け取らなければならない利用者が別料金を支払う。
つまり、サービス料金を受益者負担にすることで、本当に利用者が求めているサービスを適正な金額で提供することができるようになり、無駄なサービスについては、利用者側も提供者側もコストをかける必要がなくなります。
私もアスクルを利用していますが、翌日配送は別料金ということになれば、必要なものを在庫が切れる前に計画的に把握して、別料金がかからないように意識を変えると思います。
どうしても、急に必要となったときにだけ、別料金を支払って注文するなり、配送料がもったいないと思えば、近所のお店に買いにいけばいいことですので・・。
アマゾンで本を購入するときの配送も「無駄だなあ・・・」と感じることが多々あります。数冊の本を同時に購入した場合、同じ日に配送されてきたにもかかわらず、一括の配送でなく、すべて個別で送られてくることがあります。
このようなことをしていれば、荷物の量が増えていきますので、配送をする側も負担となりますし、受け取る側もなんのメリットも感じず、包装のゴミが多くなりことにより、かえってデメリットとなるだけです。
牛丼などの飲食店も、全国一律24時間営業することが、果たして利用者が本当に欲しているサービスなのでしょうか?しかも、人手不足によって少人数での店舗運営をせざるをえず、そのしわ寄せは従業員の負担となってくることになります。
本当に必要としているサービスなら、別料金を支払って利用者が選択すればいいだけだと思います。サービスを提供する側だけの負担にもとづくサービスは長続きせず、会社や従業員すべてが疲弊していくだけですね。
サービスを追及してきたヤマト運輸がサービスを見直すことで、サービス=タダという認識が変わるきっかけとなるのでしょうか?