6月は上場企業の株主総会が集中する月です。とくに昨日の29日は、31%相当にあたる380社の株主総会が開催されました。
最近では、株主との対話を意識している会社が多くなったため、株主が株主総会に出席しやすいよう開催日を分散する傾向となっております。
そのため、株主総会の集中率は以前と比べ、下記のとおり低下しています。
【JPXHPより引用】
今年の株主総会で特徴だったのは、約8年ぶりに株主提案が賛成多数で可決されたことです。
ちなみに、株主提案は、「6か月前より引き続き総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を有する株主であって、株主総会の日の8週間前までに行使する必要がある」と会社法303条で定められております。
昨日開催された黒田電気の株主総会で、旧村上ファンドの村上元代表が関与する投資会社が提案した取締役の選任議案(第3号議案)が賛成多数で可決しました。
最近では、上記のように「モノ言う株主」の株主提案だけでなく、「モノ言わぬ株主」であった機関投資家も、議決権行使について厳しい基準を設けるなど、以前の無難に終わる株主総会が少しづつ変化してきています。
これは、機関投資家が遵守すべき原則を定めた「スチュワードシップ・コード」と上場企業が遵守すべき行動規範を定めた「コーポレートガバナンス・コード」の策定によって、株主と企業との間の対話が促されることで、企業の持続的な成長を支えたり、攻めの経営に転換したり、企業の稼ぐ力を向上させることなどを目指している流れがあるからだと思います。
株主総会を取り巻く環境も、ここ数年変化してきており、その変化への対応が問われているようです!