仕事を行ううえで、ミスは付きものです。コンピュータではなく、人間が行う以上は仕方のないことなのですが、私たちのような専門家がミスをすることは、お客様に多大な損害を与えてしまうことがあります。医療関係者であれば、そのミスが命を左右することにもなりかねません。
よって、専門職として仕事をしている以上、ミスを限りなくゼロにするためにあらゆることに予防線を張っていなければなりませんし、ミスが起きてしまった場合にはその原因をしっかりと考えていく必要があります。
しかも、ミスをした際に、「忙しかったから・・・」とか、「自分は焦るとミスするので・・・」とか、「自分は物事を忘れやすいので・・・」というように、ミスが起きた原因を深掘りすることなく、よくありがちな言い訳でその場をやり過ごしてしまうことは、ミスを防ぐための改善の芽を摘んでしまうことにもなりかねません。
なぜなら、上記のような言い訳をすることで、「忙しかったから・・・」「自分は焦るとミスするので・・・」「自分は物事を忘れやすいので・・・」の後に、(だから仕方がない)という潜在意識を頭の中に刷り込んでしまう場合があり、それらがミスを根本的に解決することから遠ざけ、同じミスを繰り返し誘発することにつながってしまうことにもなるからです。
たとえば、「忙しかったから・・・」がミスの直接的な原因ではなく、なぜ忙しくなってしまうのかを考える必要があります。スケジュールの管理不足、仕事の段取りを考えていない、合理的に仕事を行っていない、緊急で重要でないことを優先してしまう・・・など、本来の原因があるはずです。
「自分は焦るとミスするので・・・」という性格がミスの原因と考えている場合も、実は、人の話や指示を最後まで聞いていなかったことがミスの直接的な原因となっていることがあります。話をしている際に途中で話を聞くのをやめて自分の頭の中で違うことを考えてしまったり、話の途中で自分で結論づけてしまい、理解しているつもりとなっていることがミスを誘発していることがあります。
つまり、聞いていると思ったら聞いていなかったとか、大事なポイントを聞いていなかったために、自分で焦りを感じでミスをしてしまっているのであれば、焦りがミスの原因ではなく人の話を集中して最後まで聞いていないことが原因です。
相手と話をしている最中の仕草で、「あ、違うことを考えているな!」「今、話を聞いていないな」とわかることがあります。たいていそのように感じたときは、伝えたことが伝えたとおりに理解されていないため、ミスが発生することとなります。しかしながら、本人がそのことに気がついていないため、「焦らないように気をつけます!」と誓っても、何度も同じミスが繰り返されることとなります。
人の話を途中で聞くのをやめるのでなく、最後まで集中して聞くようするために、まずはメモをとる習慣を身につけることがいいのかもしれません。たいてい、話を聞いていない場合は、メモをとっていないかメモがきちんととられていないことが多いからです。
メモを取ることで、話を忘れることが防げますし、メモした内容を相手に確認してもらうことで、勘違いを防ぐこともできまし、何より相手に「あ、自分の話をきちんと聞いてくれているな」と思ってもらうことにもつながります。
「自分は物事を忘れやすいので・・・」と思っていらっしゃる方にもメモをとることが有効です。ポストイットや手帳に書き込みするアナログ的なことから、スマホのスケジュールやアラーム機能で通知する仕組みをつくることで、忘れることを前提とした対策をしていないことがミスの原因となっていたことに気づくこともあります。
ということで、同じミスが続く場合、何が原因か掘り下げて検証することが大事ですね。ということで、今日は自分への自戒の意味をこめて、なぜ同じミスを重ねてしまっているのか本来の原因を追究する大切さについて書いてみました。