昨日は、テレビでの報道や新聞記事から興味のあることを調べていくと、平面的な理解から立体的な理解へと変化していく話を書きました。
今日の新聞で、東芝が来月の24日に臨時株主総会を開催する旨の記事が掲載されておりました。そこで、東芝のホームページで、臨時株主総会に関する議題を確認したところ、以下のとおりとなっておりました。
【東芝のHPより引用】
第1号議案は、不祥事により監査法人の承認がもらえず本来の時期までに株主総会での承認決議が出来なかった、2017年3月期の計算書類の承認決議が決議事項となっております。
また第3号議案は、東芝の稼ぎ頭であった半導体メモリー事業の売却についての議案となっています。
稼ぎ頭である事業をなぜ売却することになってしまったのでしょうか?
東芝の貸借対照表を確認してみましょう。
赤字で囲ったところが、2017年3月時点での株主資本です。
5529億円の債務超過となっております。この債務超過が2期連続となると上場廃止となってしまいます。そのため、上場廃止を回避するために、稼ぎ頭である半導体メモリー事業を売却して、債務超過を解消せざるをえないということなのです。
ちなみに、事業売却によって、5529億円の債務超過が解消されて、7400億円のプラスに財務改善がされる予定です。
日米韓連合の株式会社Pangeaに対する売却を協業先のアメリカのウエスタンデジタルが反対しており、一筋縄にはいかないようです。売却が上手くいったとしても、各国の独禁法の審査を受けなければなりません。果たして、2018年3月末までにすべての手続きが完了し、半導体メモリー事業を売却してまで上場を維持しようとした目的を達成することができるのでしょうか?