横浜から伊豆急下田を約3時間で走る「ザ・ロイヤルエクスプレス」
乗車するには、「食事付き乗車プラン」と宿泊と観光がセットになった「クルーズプラン」からチョイスすることになります。食事付き乗車プランは、片道で1名2万5000円から3万5000円、クルーズプランは1名13万5000円から20万円にもなり、乗車時間を考えるとまさに贅沢な豪華列車の旅となります。
豪華列車「ななつ星in九州」のデザインも手掛けた水戸岡さんとあらゆる分野の匠である職人さんたちの手作りの結集によって、この豪華列車が作り上げられています。
ちなみに、この豪華列車の車内は贅沢な空間となっておりますが、決してお金をたくさんかけて作られたものではありません。というより、予算がなかったため、車両も25年前のものが再利用されているほどです。
そのような資金難の限られた状況ので、水戸岡さんと職人さんたちはプロフェッショナルな仕事で見事難問をクリアしていく様子がNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介されておりました。
その中で印象に残った言葉が、「良い加減」「手探りの痕が強さになる」
この二つの言葉は、人からロボットへ仕事が代替されていく中で、人が何を大事にすべきであるのかを考えさせられるものです。
良い加減は、いいかげんではなく、‘良い‘加減が大事だということ。釘を使わない椅子づくりの職人が、それぞれ異なる木の個性を見極め、加減をしながら木と木を絶妙な感覚で組み合わせていたときに話されていた言葉です。
ロボットは、寸法通り正確に仕事をすることが出来るが、人のように加減をすることができません。この良い加減を行えるのが人のみであり、長年の経験から導かれる職人技となりロボットでは代替することができません。
また、上記でご紹介したように、今回の車両は25年前のものであるため、車体に微妙な凹凸があり、列車の大事な印象となる顔に装飾品を取り付ける際に、金物加工のプロが何度もやり直しをさせられるシーンがありました。
立ち止まって考えてはトライし、だめならまた考えてトライする。常にできるためにはどうしたらいいのかを考え、時間とのプレッシャーとも戦いながら難問に挑んでいく手探りの痕が、成功した時に強さとなり、また次の難問に活かされていく。
そんなプロフェッショナル達の総力で仕上がった列車には予約が殺到しているようです。最新の技術でなく、匠の技術で列車に高付加価値をつけることで、高収益を図る・・・。参考になります。
ぜひ、一度乗車して、プロの仕事をこの目で直接感じてみたいと思います。ご興味のある方は、車ではなく、豪華列車で伊豆の旅に出かけられてみてはいかがでしょうか?【ザ・ロイヤルエクスプレスHP】