ある人から名門ゴルフクラブの会員権を一緒に買わないか?とお誘いいただきました。資金の余裕も時間もゴルフの技術もないため、丁重にお断わりいたしましたが・・・・。
その時、その方から聞いた会員権の価格に正直驚きを感じました。そのゴルフ場は名門なので、会員権を買おうという意識すらしたことがなかったですし、バブルの頃は数億円もしたという話も聞いていたので、まったく自分には縁のないことだと思っておりましたが、現在では100万円以下で会員権を購入できるようです。
そんなリーズナブルな価格で名門コースの会員になれるという夢のような話ですが、どこまで会員権の価値が下がっていくんでしょうか・・・・・。
ゴルフ会員権を購入してプレーを楽しむ時代から、会員権がなくてもネットで予約してプレーするのが当たり前という環境変化と会員権に対する価値観の変化に伴い、会員権の価格が右肩下がりとなっているようです。
興味があったので、そのゴルフクラブの直近10年の会員権相場の推移をしらべたところ、ここ10年間でも価格が約10分の1となっておりました。
ゴルフ会員権と同様、資産価値としての価値観が変化しているものとして、不動産があげられるのではないでしょうか?
以前は、不動産を所有していれば右肩上がりに価格が上昇していたため、資産価値として誰もが認めていた時代もありましたが、最近では売りに出しても売れ残ってしまう物件も多くなってきており、空き家につながる原因の一つとなっております。
預金している人が利子を支払わなければならないというマイナス金利が容認されているように、今後、お金を支払って不動産を引き取ってもらうということが珍しくない時代がくるかもしれません。
実際に私の事務所でも、「お金を支払ってもいいので不動産をもらってくれる人を探して欲しい」という依頼を数件受けたことがあります。不動産を資産ではなく負の財産と考えはじめた人がいるのも事実です。
数億円していた会員権が数十万円になってしまった話を聞いて、「所有から利用」へというシェアリングエコノミーへ価値観が変化しはじめている現状を考えると、不動産もゴルフ会員権と同じ運命を辿ってしまうのかなあ・・・・・と感じました。