2018年度の税制改正が盛り込まれた改正大綱が決定されました。たばこ税や所得税改革など【増税】となる改正、事業承継税制など改正によって【減税】となるものもあり、印象的には「家計に厳しく」「企業に優しい」改正のように思われます。
この中で個人的に注目しているのが、中小企業で社会問題となっている事業承継を促すために、株式の移転に関する税負担の納税猶予の要件が全株式の3分の2で相続税額の8割までの納税猶予が、全株式について全額猶予になることが盛り込まれたことと、土地の相続登記に対する登録免許税の免税措置の創設が盛り込まれたことです。
中小企業の事業承継を行う際に、株式の承継による課税問題は後継者の負担となっており、事業承継がスムーズに進めることのできない一因となっています。
また、相続が発生したにもかかわらず、相続手続きが放置されることが、空き家問題や所在不明土地問題を生じさせる一因となっており、名義変更に伴う登録免許税の負担をなくすことで、相続登記が促進されることが期待されています。
大綱では、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間、相続登記が未了の土地について相続登記を行う場合、登録免許税が免税となる措置がなされる予定になっています。
相続による移転登記が免税となったとしても、司法書士等の専門家に依頼する報酬はかかりますし、建物が対象となっていなかったり、3年間しか免税期間がないなど、実際にどれだけの効果があるのかわかりませんが・・・・。
どちらも社会問題を解決するまでのインパクトはありませんが、税制面の優遇を図ることで問題解決への一歩が踏み出されることを期待しています!