昨日、ある会社のお知らせを見て、仮想通貨がビジネスの世界に浸透しはじめていることを感じました。
M&Aの対象である3社から株式を取得し、子会社化することを取締役会の決議で決定したプレスリリースの中に、その株式の取得代金の支払い方法に仮想通貨が一部含まれておりました!
具体的には、9億600万円の株式取得代金のうち、6000万円相当を仮想通貨で支払う予定とのこと。この仮想通貨は、その会社が数年前に発行した独自の仮想通貨(自社トークン)です。
この仮想通貨は、昨年、2箇所の仮想通貨取引所で取引が可能となっており、昨日のある時間帯の時価から10%ディスカウントした額を時価として、6000万円相当額の仮想通貨をM&Aの対価として支払うことになります。
(この仮想通貨は、金融庁が認可した仮想通貨交換業者が取り扱うことができる、ホワイトリストに入っています)
今までは仮想通貨に関する会計基準が明確ではなかったため、この仮想通貨を簿外資産として処理していて、この仮想通貨の売買もこれまで行っていなかったそうです。
現金の代替として仮想通貨による支払いとなるため、その仮想通貨に見合う6000万円分については、仮想通貨売却益とし、特別利益として同額を計上する処理がされるようです。
この会社は上場企業ですから、実行後に問題となるようなことがなければ、他社も今後追随し、海外の会社をM&Aする場合に、現金や自社株式ではなく、自社が発行する仮想通貨で支払いをするスキームが検討されるケースが増えていくかもしれませんね。