昨日は、違和感を大切にして、トラブルに巻き込まれない話を書きました。
今日は引き続き、ミスを防ぐために事務所内で気を付けていることについて書いてみたいと思います。
一日のうち、一つの案件についてずっと取り組んでいるということはなく、大抵、複数の案件について対応をしています。
そのような場合、同じ作業を同時進行するときには注意が必要です。例えば、相模原の法務局に登記申請する案件と町田の法務局に登記申請する案件があったとします。
こういった場合、私どもの事務所ではまず、相模原の法務局にオンラインで登記申請→申請した受付票を金融機関等お客様にFAX→申請後処理→相模原の法務局宛ての封筒に添付書類を封入して郵送の準備をします。
その一連の流れで完全に相模原の案件を完了させた後、同様のルーティンで町田の法務局に登記申請を行うようにしております。
つまり、同時並行で作業をすることなく、1つの仕事を確実に終えてから次の仕事に取り掛かるようにしています。というのも、同時並行で行うことは、「取り違え」のミスを誘発する主たる原因となるからです。
例えば、オンラインで申請する際に、「相模原」と「町田」の申請を一緒にしたほうが効率的ではないかと思う方がいるかもしれません。
確かに同じ作業を立て続けにした方が早いかもしれません。しかし、複数の申請を同時に処理しようとした場合、
・申請した受付票を金融機関にFAXする際に相模原と町田を取り違えてFAXしてしまった!
・申請した後の添付書類の郵送も相模原の分を町田宛の封筒に間違って入れて送ってしまった!
・相模原と町田のファイルを取り違えて、申請後の処理をしてしまった!
・・・などのミスが発生することが考えられ、最悪、重大な事故につながってしまうことも考えられます。
そのようなミスをするなんてありえない・・と思いがちですが、
・オンライン申請の直後に電話がなり、その場を離れ、電話対応に追われてしまった
・急な来客があって接客に入った結果、どこまで仕事を進めていたかがあやふやとなってしまった
・お客様から申請を急かされる電話が入った
・・・など、集中力が途切れたり焦りにつながる事態が生じてしまうことで、本来ならミスをしないはずのことでも、ミスが起きてしまうことが往々にしてあると思います。
大学病院などで、同時に2人の患者さんが手術する場合に、患者さんを取り違えて手術をしてしまった・・・・ということは実際に新聞で見かけますが、医療関係者がこのようなミスをすることは命にかかわる重大な事態に発展していまいます。これは、どの業界でも同じことが言えるのではないかと思います。
要は、ミスが起きるであろうことを事前に察知し、予防する仕組みやルールを作り、それを遵守することが大事になってくるということです。合理化を優先するあまり、ミスを誘発する手順になっていると、結局のところミスの対応に時間が取られるだけでなく、信用を失うことにもなりかねません。
一つの仕事が完了したことを確認し、次の仕事に取り掛かることは、一見遠回りのようでも、仕事を迅速に進めるために実は大事なことだったりします。
「急がば回れ!」で仕事の段取りを一度見直してみてはいかがでしょうか?