数か月前、市役所から紹介されたお客様が当事務所にお見えになられました。
お話をお伺いしたところ、「ある専門家に相続の手続きを依頼しているが、1年半経過しても話が進まない・・」ということでお困りになられていて、市役所に相談されたところ、たまたま当事務所を紹介していただいたようです。
お客様にはお子様がいらっしゃらず、お亡くなられた配偶者の方の兄弟姉妹が相続人となられるのですが、兄弟姉妹もすでに全員お亡くなりになられているため、複数の甥と姪が相続人となるケースでした。
当初依頼された専門家に、「相続手続に必要な書類を相続人に送付したが戻ってこないので手続きが出来ない」と言われて、そのまま手続きを放置されてしまったようです。
そのようなスタンスの方では案件が進まないと思い、その専門家から案件に関する書類を返却してもらうお願いし、後日書類を持参してもらうことにしました。
そのお客様が持参された書類を確認してビックリ!
相続手続きにおいてまずしなければならない相続人の認定の手続きが出来ていませんでした。つまり、相続人を判別するに必要な戸籍がすべて揃っておらず、その穴だらけの戸籍を揃えるだけでも2ケ月の期間を要しました・・・。
しかも、法的に間違ったアドバイスを受けられていたようで、このままその方にお願いしてたら!と思うとゾッとするような仕事ぶりでした。
相続人をしっかり確定されてから、相続人の代表の方にまずはご挨拶と根回しをさせていただき、今までこのような事案を解決してきた手順に従って案件を進めていたところ、相続人の全員から手続きに協力いただく旨のご了解をいただくことができました。
私たちの手続きは、「誰に依頼しても結果は変わらない」と言われることがあります。法律で要求されている添付書類を揃えると原則手続きが完了するからです。
しかし、今回、そのまま当初の専門家にご自宅の相続手続きを依頼していたら、老後の住まいを失う結果となっていたところでした(汗)
最近では医師や私たちのような専門家に対して「セカンドオピニオン」を求められるお客様が増えていらっしゃいますが、何か違和感を感じたらご自身で悩まれず、積極的にセカンドオピニオンを活用された方がいいかもしれませんね。