お亡くなりになった方の不動産・預貯金・株券を含む、すべての遺産を承継するための手続きを相続人の方から依頼されることが増えています。
以前は相続に伴う名義変更の登記手続きのみを受託し、その他についてはお客様自身で行っていただくことがほとんどでしたが、最近では、司法書士が不動産以外の相続財産についても相続人に承継するための手続きである、「遺産承継業務」を行う機会が増えてきました。
不動産の名義変更はともかく、預金や株券等の遺産承継業務はお客様自身で各金融機関等で手続きをすることは可能です。
しかし、最近では、
「お金を払ってでも大変な手続きはすべてお願いしたい」
「高齢であちこち出歩くのが大変なのでお任せしたい」
「仕事が忙しくてとても手が回らないので・・」
など、お客様の様々なニーズの増加に伴い、お手伝いさせていただく業務範囲も増えてきています。
今日は、ある相続人の方より、お亡くなりなられた被相続人の方の自宅を整理して欲しいとのご依頼をいただいたため、業者の方と遺産整理をするため、現地に行ってきました。
今まで何度もその業者の方にお願いをしているので、私が立ち会う必要もなかったのですが、相続人の方が仕事で現地の作業を確認することができないため、お客様の代わりとして私が現地に赴くことになった次第です。
ちなみに、その自宅はモノであふれていて、いわゆるゴミ屋敷状態となっています。トラック4台、スタッフ総勢6名で作業を進めていたのですが、あまりにもモノが多くて人手が足りないと思われたため、気がついたら助っ人として実際の作業に参加しておりました(笑)
今までもゴミ屋敷となった不動産を処分するお手伝いをさせていただくことは多々あり、家の中を確認する機会は何度かありましたが、実際に作業をするのは初めてです・・・。
私たちにとってはゴミと思えるものでも、相続人の方にとっては大事な思い出の品であることがあります。貴重品をきちんと選別することはもちろんですが、あきらかにゴミと思われるもの以外は相続人の視点で丁寧に選別を行いました。
部屋の中が足の踏み場もない状態の時にはわからなかったのですが、作業が進むにつれて、雑然とした部屋の中とは打って変わって、タンスや収納の中はきちんとモノが整理されて保管がされてお亡くなりなられた方は、非常に几帳面でモノを大切にされた人生を歩まれてきたことがわかりました。
しかしながら、モノを大切にされてきたことで自宅の中がモノで溢れる結果となり、相続人の方にその負担を引き継ぐことになってしまった状況を目の当たりにすると、やはりご自身が元気なうちに「断・捨・離」することは、残された相続人が困らないためにも、今後の終活に必須だと感じました。
みなさまも元気なうちに、大事なモノとそうでないモノを選別することから、終活をはじめられてみてはいかがでしょうか?
私たちのように縁もゆかりもない第三者でも、家にあるモノを通じ、その方がどのような人生を送ってこられたのか、一瞬手を止めて考える時間がありましたので、断捨離を行う過程で、モノを通じ、みなさまが人生を振り返るいい機会になるかもしれませんね。