本日、相続手続きのご依頼であるお客様が税理士の先生と一緒にお見えになられました。
早速、税理士の先生が作成された遺産分割協議書を拝見したところ、自宅や貸家の他に、山林が数十筆ありました。しかも、1筆が5000㎡を超えるものばかり・・・。
名義変更の手続きをすすめるために相続登記のご説明を差し上げたところ、「山林は登記せず放置します・・」とおっしゃられました。
聞くところによると、山林を持っている近隣の方も相続登記を放置していて、登記されている所有者がすでに何代も前の方で現在の所有者は誰だかまったくわからない状況とのこと。
登記をしなくても、相続財産である以上相続人に所有者としての責任がかかる場合があることはご説明したのですが、相続人からすると使えず売れもしない山林の名義書き換えに費用をかけてまで手続きしようとは思いませんよね。
このように所有者が不明となっていき、山林の手入れが疎かになってくることで、災害時に土砂崩れや倒木などを引き起こすことにもつながりかねません。
現在の民法では、所有権を放棄することは認められていないため、第三者へ所有権を移転しなければ、所有者としての責任から免れることはできません。やはり、所有者不明の土地を新たに生み出さないために、一定の要件で所有権が放棄できるような政策は絶対に必要となりますね。
日本の国土の3分の2は森林と言われてますので、この問題を放置することによる将来の弊害は相当なものとなりそうです・・・・。