不動産を共有状態で所有している場合に、共有者の間で意見が一致しなかったり、共有者が行方不明となったり、共有者が認知症となってしまったら、不動産を処分することが困難となってしまいます。
そのようなことを避けるために、現在ご家族6名で共有となっている土地を単独所有にするための案件を受託しています。
例えば、200㎡の土地を甲さんと乙さんが2分の1ずつ共有しているとします。
このままでは、どちらかに不測の事態が生じた場合に不動産を処分することができなくなるため、単独所有にする場合に、お客様がよく勘違いされるのが、200㎡の土地を半分に分割すれば100㎡の土地が2つ出来れば、それぞれが単独所有になると思っていらっしゃることです。
というのも、甲さんと乙さんの2分の1ずつの共有の200㎡の土地を分筆して100㎡の2つに分割したとしても、それぞれ甲乙2分の1づつの共有状態の土地が2つ出来るにすぎないからです。
そこで、共有状態を解消するために、さらに甲さんの持分を乙さんへ移転し、乙さんの持分を甲さんに移転することで、甲さん単独所有の土地と乙さん単独所有の土地ができることになり、このことを「共有物分割」と呼んでいます。
実務的には、所有している持分に応じて不動産を分筆しなければ、登記する際の税金が高くなってしまうため、計算をしっかりおこなわなければなりません。
ということで、今回はそれぞれ持分の異なる6名の持分に応じて土地を分筆したので、これからお互いに持分を移転しあう登記を行うことで、6名の共有状態から各自がそれぞれの土地を単独所有にすることができます。
実際に共有者のお一人が認知症となり不動産の処分でお困りになっていらっしゃる案件を受託中なので、リスクを認識して早めに対策されたいい例だと思いますので、すでに共有状態となっていらっしゃる方は共有状態が解消できるのかぜひ検討していただくことをおすすめします!