今日は、お客様の自宅を訪問し、相続に関する打ち合わせを行ってきました。
実際には、相続はまだ発生していないので、相続が発生した後を想定し、推定相続人の間でどのように分配するのがベストなのかという家族会議に参加してきたというほうが正しいかもしれません・・・。
第1次相続が発生した場合、第2次相続が発生した場合に課税される相続税を考慮しながら、お客様や推定相続人のご意向を反映させた分配方法について意見交換を行いました。
自分や配偶者が亡くなった後のことを、推定相続人と一緒にシュミレーションしながら分配方法を模索していく過程において、推定相続人となるべき子どもとの間や、推定相続人間でも考え方に相違があるので、なかなかすぐに決まるというものではありません。
もちろん、推定相続人に相談することなく遺言書で一方的に相続分配に関する方法を指定して想いを残すという方法もありますが、生前に推定相続人の意見が合致したのであれば、それを尊重する仕組みを活用したいところです。
しかしながら、判例では被相続人がお亡くなりになられる前に推定相続人間で遺産分割協議を行ったとしても「無効」とされています。
よって、生前に遺産分割協議を行ったとしても、実際に被相続人がお亡くなりになった後で生前に合意した内容と異なることを主張することが出来てしまうため、紳士協定的な効果は期待できたとしても、法的な効果は相手方に主張できないということになります。
ということで、生前に遺産分割協議を行っても法的な効果はないというのは専門家の間では当たり前の知識なのですが、11月14日に開催された「登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会」の第13回目の会議において、土地所有者不明土地問題を解消する一つの手法として、生前の遺産分割協議に法的な効果をもたらせることについて検討がされたようです。
今日、訪問したお客様も、推定相続人全員が合意するのであれば、遺言書よりも全員で合意した証である遺産分割協議書で書面を残しておきたい案件であります。
家族単位で終活を考える方が増えてくることが想定されるのであれば、ぜひとも実現してもらいたいのですが、果たして今までの私たちの常識が覆ることになるのでしょうか・・・。