昨日、日産のゴーン氏の問題について書きましたが、今日もニュースで新たな不正に関する事実が報道されておりました。
22日の取締役会で代表取締役を解任されたゴーン氏ですが、取締役は株主総会で解任する必要があるため、まだ取締役として地位が存続していることとなります。
では、取締役を解任するためには、どのような決議要件が必要となるのでしょうか?
(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
会社法341条
第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。
上記のとおり、原則議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の過半数の決議で行うことになります。
それでは、日産(正式には日産自動車株式会社)の大株主はどうなっているのでしょうか?
上記のとおり、ルノーが約44%との議決権を有していることになっており、また、ルノーの大株主がフランス政府であるために、今回の問題は政府も巻き込んだ大きな動きとなっています。
ちなみに日産は無議決権ではありますが、ルノーの株式を15%ほど所有しており、ルノー→日産(44%)、日産→ルノー(15%)と相互で株式を持ち合っています。
実は会社法308条において、4分の1以上の議決権を有している会社については、自社の議決権行使を認めないというルールがあります。
つまり、ルノーの株式を15%から25%以上引き上げると、44%近くもルノーが所有している日産の株式の議決権については行使することが出来なくなり、事実上、ルノーの日産への経営関与を排除することができます。
今後の展開の成り行きについて、会社法の視点からも興味を持って見ていきたいと思います。