先日、豊洲市場で行われた初めての初競りで、マグロ大王として有名なすしざんまいの木村社長が大間の278キログラムのクロマグロを3億3360万円(キログラムあたり120万円)の史上最高値で落札したことが、各テレビ局のニュースで流れていました。
ちなみに、2014年の初競りで木村社長が落札したのが、同じく大間のクロマグロで、230キログラム736万円で最高値でした・・・。
その時からすると、46倍近く高い値段で落札したこととなり、クロマグロの対価としてはあり得ないコストをかけていることになります。しかしながら、最高値で落札した後の各テレビ局や新聞での報道や店舗前の行列、マグロ大王としてのブランディングを考えると、費用に見合う効果がそこそこ見込めるからこそ、多額の投資を決断したんでしょうね。
マグロの対価として考えると大赤字ですが、各マスコミに広告料を払うことなく全国規模のネットワークで会社を取り上げてもらい、より一層のブランド力を構築したと考えれば、費用対効果はありなのかもしれません。
費用対効果と言えば、現在話題になっている、ZOZOの前澤社長の「100人に100万円」をお年玉としてプレゼントするというツイッターでの企画。
「総額1億円」をフォロワーになってくれた見ず知らずの人に、個人の財布から支出するというのですから、常識では考えられないですね。
この企画の発表する前には50万人だったフォロワーが600万人まで増えたとのことなので、1億円で550万人をフォロワーとして増やしたことになります。つまり、1億円を550万人で割ると、一人当たり「19円」のコストで世間の人に影響力を与えた計算となりますでしょうか。
もっとも抽選結果が発表され、落選した多くのフォロワーが登録を解除しているようですが・・・。
しかしながら、1億円を無料でプレゼントすることは一見損をしているようで、実は低コストで話題を作り、かつ低コストで多くのフォロワーを獲得したことになりますね。
1人あたり100万円のお年玉をプレゼントすることは、法律行為からすると「贈与」にあたります。贈与税が気になるところですが、1年間に「110万円」までの贈与は非課税となるので、100万円を受け取っても贈与税が課税されることなく、当選者は満額を受け取ることができます。
冒頭で紹介した、大間のクロマグロの落札金額である3億3360万円は、報道によると8割強の3億円近くが釣り上げた漁師さんに配分され、経費や税金を引いた半額の約1億5000万円が手取りになるとのこと。
3億3360万円の恩恵の大半に預かれるのが1名!?の漁師さんであり、しかも税金で半額近く持っていかれることを考えると、100人に税金がひかれることなく100万円満額をプレゼントすることができ、550万人もの多くのフォロワーを木村社長の約3分の1の費用で得た前澤社長の戦略は、ビジネス的に考えるとより効果があったといえそうです。
ただ、今後の前澤社長の対応によっては、世間の嫉妬とやっかみでマイナス効果になってしまうリスクがあるので、大いに注意が必要ですが・・・。