沖縄の高校生が、親戚の葬儀に参加するために飛行機代を入れていただ財布を無くして困っていたところ、見知らぬ方(医師)が声をかけて事情を聞いてくれたうえ、何も言わずにお金を貸してくれたという出来事があったということは、みなさんもご存知かと思います。
名前を聞きそびれた恩人に借りたお金を返してお礼を言うために、地元のマスコミを通じて恩人探しをし、その恩人が見つかって昨日再会できたことがニュースで報道されておりました。
落とした財布もそのままの状態で無事見つかったようで、この出来事や出会いというのは、すべて善意のもとに成り立っていて非常に素晴らしいなあ・・・と感動しました。
私が、最初にこの報道を見て一番不思議に思っていたのが、高校生が財布を落として電車の車内で落ち込んでいる時に、なぜ彼のことを知らない医師が、彼の置かれている状況を察して声をかけることができたのか?・・・ということでした。
事情を考えると、相当落ち込んでいたことは想定できますが、車内にいる他人を観察するということはあまりないので、車内で倒れてしまったとか、見た目に何か起きたことがわからなければ、なかなかそれらに気付いてあげることというのは難しいと思います。
実は、恩人である医師の方は、今までも飛行機内で体調が悪くなった乗客の診察をしたことが20回以上あったのこと。「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいますか?」とアナウンスされるあの場面ですね。
そういった経験から、普段から、周りの乗客に体調が悪い人がいないか、気分がすぐれない人がいないか、様子が気になる人がいないか・・・というアンテナが無意識のうちに立っているとのことでした。
そのアンテナのおかげで、彼の異変に気付き、声をかけたことで報道にあるような出来事となったようなのです。そのような方と偶然巡り合えた高校生も本当に良い経験をしたと思います。
人助けをしてもらった今回の出来事は、将来の彼の人生にも何らかの影響を与えることになると思います。それにしても、プロの洞察力は「さすが!」の一言です。