専門家に仕事を依頼している友人から、「これで問題がないですね?」と尋ねられたので、何もわからずそのまま返事をしたら、後からちょっとしたトラブルになって困った・・・との連絡がありました。
話を聞くにつれ、プロの専門家とお客様との間で起こり得る現象だなあ・・と感じました。
私たち専門家は、毎日のように仕事をしているわけですから、自分の業務の守備範囲についての知識や情報は当たり前のようになっています。
しかし、依頼されるお客様にとっては、いろんなことが初めて見聞きすることもあり得るわけですから、案件についてどれだけお客様が理解されていらっしゃるか?ということに注意しながら、確認作業を行っていく必要があります。
ですから、お客様に「他に〇〇のようなことはないか?」とか「これを選択すると〇〇のようなデメリットもありますが、いいでしょうか?」など、説明責任を果たすことなく「これでいいですよね?」とか「問題ないですね?」と確認しただけで、後々トラブルになってしまった場合、「私はお客様に問題ない旨の確認をしましたよね?」と説明したところで、お客様は納得できるはずがないと思います。
私がお客様の立場になったとき、たとえば何かの病気で手術が必要な場合に、担当医から「手術してもいいですよ?」とだけ聞かれても自分で判断のしようがありません。
「他にどのような選択肢があるのか」「手術にはリスクがあるのか」「後遺症が出る可能性はあるのか」「手術を選択しなかったらどうなるのか」など、専門的な見地から判断材料を提供してもらってはじめて判断することが出来ますし、不利益事項についてすべて了解したうえで自分で判断すれば、後から「こんなはずではなかった・・」と思うことも少ないのではないかと思います。
今回の件は、私自身も今後の業務に活かしていきたい・・と感じた出来事でした。