完了するまで情報がロックされます・・・・
一般的な登記手続として、不動産に関するものと法人に関するものがあります。
不動産を売買して所有者の名義を変更する場合は不動産登記申請を、法人の役員を変更する場合は商業登記申請を行うこととなります。
それぞれの手続は、不動産登記法と商業登記法に規定されており、申請する管轄も不動産の所在地、法人の所在地を基準として、各々定められています。
よって、全く別の登記手続なのですが、時にはお互いの手続に影響を及ぼすことがあります。
例えば、法人が売買で不動産の名義変更を行う場合は、不動産の管轄の法務局において、名義人となる法人の情報が申請どおり正しい情報なのか確認する作業が行われます。
そのために、法人にそれぞれ割り当てられている、会社法人等番号という番号を不動産登記の申請書に記載する必要があります。
その番号をもとに、不動産の登記官は名義変更手続をする法人の商号、本店、代表者など、不動産登記申請に記載されている情報と相違ないか調査し、問題がないか確認することになります。
ところが、たまたま同じ日に、法人の登記事項を変更する必要があって、商業登記申請を行ってしまうと、不動産登記申請に会社法人等番号を記載しても、法人の登記記録が登記中のため、登記官が確認することが出来なくなってしまいます。
というのも、登記申請を行った時点で、登記完了までその情報にアクセスできないロック状態となってしまうからです。
つまり、法人の登記が完了するまで不動産登記申請に関する審査が行われないことになり、不動産の登記完了をお客様が忙いでいらっしゃる場合にご迷惑をおかけすることになります。
このような場合は、取得後1ヶ月以内の法人の登記事項証明書を法務局で取得して、それを添付すれば、手続きをすすめてもらうことができますが、登記事項証明書を取得するのを忘れてしまうと、余計な時間をロスすることにもなりかねません。
私もつい最近、同様の事例で、登記申請をしてから「あっ!」と気づいたことがありました。たまたま、1ケ月以内の登記事項証明書があったため事なきを得ました。
大至急で依頼された案件だったため、登記事項証明書がなかったら・・・と思うとゾッとしますね・・・。