今日は、相続登記が未了の場合のお話です。
父親・母親・長男・長女の4人家族がいたとします。
自宅が父親名義でしたが、父親が亡くなった時に相続手続きをせずに放置していたところ、母親も亡くなってしまいました。この場合、相続手続きはどのように行えばいいでしょうか?
父親が亡くなった時の相続人は、母親・長男・長女の3人でしたが、家族で遺産の分配について話し合うことなく母親も亡くなってしまったので、残っている相続人は長男と長女になります。
この場合、いくつか方法があるのですが、実務的に多いのは、長男と長女の二人でどのように遺産分配するのかの遺産分割協議を行う方法です。本来であれば母親も相続人でしたが、遺産分割協議を行う前に亡くなってしまったため、長男と長女が母親の遺産分割協議を行う地位も承継したと考えて、二人の話し合いで相続する人を決定することになります。
長男が単独で相続する方法、長女が単独で相続する方法、長男と長女が共有で相続する方法など、二人で話し合った協議内容にもとづいて相続手続きを行うことになります。
長男と長女は母親の地位も承継して遺産分割協議を行っていると考えられるので、稀にではありますが、亡母親の名義にすることを選択することもあります。
このような場合には、相続登記未了の場合の登録免許税の免税措置を適用することができます。つまり、父親→亡母親への相続登記については、令和3年3月31日までの間に死亡した個人をその土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、非課税となるのですが、うっかりすると忘れがちです。
というのも、通常は、父親→長男(又は長女)など、生存している相続人名義へ相続登記をすることが多いため、その相続手続きには登録免許税が通常どおり課税されるからです。
今日、その稀なケースに遭遇したので、備忘録を兼ねてブログでお伝えさせていただきました。