相互補完の意味合いがあると思いますが、食品大手企業のキリンホールディングスと化粧品・健康食品製造のファンケルが資本業務提携を発表しました。
ご存知の通り、両社の企業規模は大きく異なりますが、業務提携に及んだ両社の思惑は「相互補完」がベースにあるのではないでしょうか。
人生100年と長寿社会になった今日、自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」がより重要になってきました。
毎日の食事に加え、サプリメントを飲んで栄養補給し、医者に行かずに、健康維持を図っている人が多くなりました。
こうした背景からサプリメント業界は、食品、医薬品企業はもちろんのこと、洗剤会社、医療機器、化学会社、機械等と異業種参入で市場の拡大以上に参入企業で溢れ、群雄割拠の時代となっております。
基礎化粧品で会社基盤を整え、その後健康食品を販売するようになったファンケルは、「正直品質」のもと業界でも確固たる地位を築いていました。
一方、キリンビールは以前に自社で健康食品会社を立ち上げ、全国のドラッグストアを通じてビール酵母、乳酸菌等のサプリメントを販売しておりましたが、その後、健康食品業界から撤退した経緯がありました。
このようなことから、健康食品業界において、長年の信用からファンケルブランドを築きあげたが規模の乏しさから将来に不安も感じているファンケル(?)と、競合ひしめく業界に再参入し、早期に基盤確立するためのパートナーを求めていた(?)キリン社と、両社の思惑が合致したのでしょうか。
キリン社の出資比率は33%と3分の1未満なので、拒否権はなく、ファンケルの経営の独自性が保てることから、両社の業務提携は円滑に進むのではないでしょうか・・・・。