早い、安い、旨いで有名な牛丼の吉野家が860円の「すきやき重」を8月14日から限定販売しました。
今回のすきやき重は、初めてサーロイン牛肉を使い、牛肉も120グラムと牛丼大盛以上のボリュームで、牛丼のタレで煮込んだ仕上がりになっているそうです。
50万食の数量限定ですが、売り切れ次第販売終了となるようです。
以前より低価格路線を採った外食産業の代表的なチェーン店である吉野家は、ライバルのすき家、松屋などと牛丼低価格競争を繰り広げたことから、薄利多売の「安い牛丼」が根付いてしまったようです。
前期決算では、人件費、原材料費の高騰が収益面で大きく影響し、増収減益の苦戦を強いられ、販売単価の引き上げが喫緊の課題でした。
単なる価格引き上げは消費者離れに繋がることから、話題性をもった高級商品の投入と、牛丼に頼らないメニュー拡大を同時に狙い、消費者の理解と単価の引き上げを追求していく戦略なのでしょう。
大衆的な牛丼に、高級化のすきやき重を加えることで、味と価格が多様化しますので、いずれを選ぶかは消費者の選択によりますね。
物は試しと早速注文してみました。
普通の牛丼よりも調理に時間がかかっていたので、その間他のお客様の注文の様子を観察しておりましたが、限定販売ということもあってか、注文されている方も多かったように感じました。
すきやき重ということで、どんぶりではなく重箱に入っており運ばれてきましたが、器の違いでちょっとした高級感を感じました。
また、普通の牛丼のように細切れの肉ではなく、大きなすきやき肉が重箱一杯に入っており、溶いた卵をかけて早速食してみましたが、すき焼きに入っているネギやしらたきなど、肉以外の具がなかったことは、個人的にちょっと物足りなく感じました・・・。
ただ、肉をガッツリ食べたい・・・という方にはいいかもしれませんね。
低価格路線で成功した鳥貴族が、値上げをしたために客離れをおこして業績が悪化した例もありましたが、一度消費者に根付いた低価格路線を転換していくことはかなりのハードルがあり、企業の試行錯誤も大変だと感じた一品でした。