お客様より遺言書と死後事務委任の違いについてご質問を受けたので、今日はその点について書いてみたいと思います。
両方とも、お亡くなりになられた後のことを対策するために利用される方法ですが、違いがわかりにくいと思います。
財産の承継に関して自分の思いを実現するものが「遺言書」、死後の各種作業を依頼するのが「死後事務委任」という点が大まかな違いとなります。
よって、自分の所有している不動産を〇〇に相続させたい・・・とか、預貯金の全てを〇〇に遺贈したい・・・という内容は、財産の承継に関するものですので、遺言書を作成することでその思いを実現させていくことになります。
一方、自分が亡くなった後の自宅内の荷物を処分してほしい・・・とか、葬儀や納骨をしてほしい・・・など、従前親族が行っていたことを依頼するのが死後事務委任であり、子供がいるものの迷惑をかけたくない、身寄りがいないなどの理由で第三者に依頼する場合に利用されます。
よって、亡くなった後の相続財産の承継手続きと死後の各種作業の両方を依頼したいという場合は、遺言書と死後事務委任の両方を利用しておく必要があります。
さらに、認知症など判断能力が喪失した場合に備えたいという方は、「任意後見契約」で判断能力喪失後の財産管理を任せることができます。
それぞれのライフステージにおけるニーズに対し、各種手法を活用して実現することが出来ますので、まずはご不安に思われていることをお聞かせください。