低金利と人口減に苦しむ地方銀行に、積極的な融資の反動が目立ち始めているようです。
地銀経営が苦しい状況に追い込まれているなか、収益確保を焦って融資審査が甘くなり、粉飾決算を見逃したり、住宅ローンでも個人の収入に見合わない貸し出しが増えたりしているようです。
収益性の悪化を量で補おうとする地銀は、結果として無理な融資を増やすこととなり、不良債権に繋がることとなりますね。
これまで、低迷する地方経済を地銀の貸出が返済猶予することなどで支えて来た側面があり、結果として、ここ数年の地銀貸出の伸びは大手銀行を上回ってきたようです。
ところが、融資先の倒産に備えて計上した貸倒引当金残高は前年対比4.6%と増え、収益を圧迫している要因でもあるようです。
預金などで預かった資金の運用先探しで翻弄されるなか、競合他行との貸し出し競争の反動が不良債権リスクを高めていることは否めないと思います。
これに対し、地銀と同様に地域密着型の信用金庫の貸倒引当金残高は前年を下回ったようです。
信金も地銀同様、融資環境は厳しいものと思われますが、信金の余資運用は中央団体の「信金中央金庫」に預けることにより利息収入が得られる点が、地銀との大きな相違点であり、この運用システムが過度な貸出競争に陥らない一因かもしれませんね。
無理な融資はいずれひずみとなって表れます。
不良債権が発生しない適切な融資運用が利益向上に繋がり、ひいては地銀の地元経済に好影響をもたらすことになるのですが・・・・・。
いずれにしても悩ましい状況ですね。