昨日は異業種の友人と、横浜の蕎麦屋で、忘年会を兼ねた打ち合わせをしてきました。
次年度からはじめる予定の新たなビジネスに関し、率直な意見を言ってもらったり、お互いの懸案事項について意見交換したりと、お客様と違って互いに遠慮することがないので、ガチンコなやり取りとなりました(笑)
大人になって、オブラートに包む必要のないやり取りができる友人がいるというのはとても有難いことです。同じ考えの人と話をするのもいいですが、違う考えの人と議論をすることで、自分が考えている方向性が正しいか、物事の本質を理解しているのか、再認識することができますし、刺激にもなります。
さて、昨日の話の中に「AI」の話題がでました。私はAIによって、業務の大半が代替される可能性が高いので、時代を先取りして来るべき日に備えるべきという考えで、友人は、自身の業務の大半はAIで代替されることが想定されないので、AIに備えるよりももっとアナログ的なことを大事にしたほうがいいとの考えです。
おそらく、私たちの司法書士の業務はスポットの手続き業務が多く、友人はコンサルティング的は要素が多いので、そのような考えの違いが出ているのではないかと思います。
ただ、お互い環境変化に対応しなければいけないことでは一致しており、500円玉を表から見ているのか、裏から見ているのかの違いで、表面的には違ったものが見えているだけで、将来的に見据えている本質は同じような気がしております。
今日の日経新聞でも、AIと人間の業務に関する記事がありました。
1つ目はHISの「変なホテル」です。人間が主体となって業務を行うべきサービス業の一つですが、このホテルでは入退館手続きにはじまり、掃除、荷物運搬、芝刈りに至るまでロボットが行っています。沢田会長は記事の中で、サービス業は対面の接客が求められるため、製造業のような全自動化が難しく、そのことで生産性を挙げる発想が乏しかったことが、サービス業の生産性が低い原因だと述べられています。
ただ、全てをロボット化すると高い技術と費用と時間がかかるので、単純作業の8割をロボット、非常対応の2割を人間が担うのが最も効率的であり、システムをシンプルにすると短期間で人が育つので、人手不足にあってもホテルを増設することができるとおっしゃっています。
2つ目は「GROW」という、企業の採用活動を行う人工知能です。採用活動を人間が行う際、どうしてもバイアスがかかってしまい、企業の改革を阻害する弊害があることが指摘されています。
採用活動をAIが行うことで、そのようなバイアスがかかった選考がなされず、企業が真に欲している人材を各種データからAIが判断し、最後は人間が客観的に欲しい人材を採用することができます。つまり、今まで人間がすることが当たり前だった仕事も、AIが得意としていることは積極的に活用し、最終的に人間の判断に委ねていくことで、本来の目的(企業が必要としている人材を採用する)を達成させることができます。
上記のように、AIか人間かという一方的な選択ではなく、人間しか出来ないことについて、更に強みを発揮できるようにすることと、AIによって代替できるものについては、積極的に活用して合理化を行い、合理化の過程の中で余剰が生まれたリソースを、人間しかできない分野に投入すべきと感じた次第です。
つまり、昨日友人と交わしたお互いの考え方はどちらも一理あることであり、AかBかでなく、AもBも並存させ、その最適バランスを取ることが大事だということを、今日の記事を見て改めて感じました。