相続手続きがいろいろな事情で保留となってしまったことで、空き家となっていた案件の一つが解決の方向に動いていきそうです。
問題を解決するための出口戦略を立案し、それらが実行されることを確認したうえで、各相続人に空き家を放置しておくことのリスクを説明させていただいた結果、相続手続きに協力していただけることとなり、空き家の問題解決にもやっと見通しがたちました。
それでは、空き家を放置しておくと、具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
まず一つめが放火のリスクです。空き家の状態になっている家は、たいてい多くの荷物で散乱しており、不審火の発生を招く確立が高くなります。万一、不審火によって火災が生じ、近隣の建物に延焼してしまった場合、その火災が発生したことにつき重大な過失があったと認定されると、多額の損害賠償を支払わなければならないことになってしまいます。
二つ目は民法第717条の工作物責任です。空き家を放置した結果、屋根、壁、窓などが落下して、通行人にけがを負わせてしまった場合、空き家の所有者が責任を負うこととなります。
建物自体が崩壊し、通行人が巻き込まれてしまった場合、けがではなく死亡事故という取り返しのつかない結果にならないとも限りません。
また、固定資産税等の税金を誰も支払っていない状況であれば、延滞金も加算されることとなり、税金の未納額がどんどんと増えてしまいます。さらに特定空き家であると判断されると、固定資産税等の税額が数倍にもなってしまいかねません。
以上のように、空き家を放置することで、様々なリスクが現実化してきますので、空き家問題でお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。