今まで何度かブログでキャッシュレス化についての記事を書いていますが、現金を扱うべき銀行でも、この環境変化に対応すべくキャッシュレス化への舵をきってきています。
今日も、りそな銀行が小売店に無償で決済端末を配布することが報道されていました。以前のブログでも書きましたが、少額決済の9割は現金で行われています。
少額決済が多い小売店などにとって、キャッシュレス化へのシステムを導入するには、端末や決済手数料を考えると、コスト的にもハードルが高く費用対効果が望めないため、現金で決済をせざるを得ない状況です。
一方で、お店で現金を扱うことによる見えないコスト、現金のやり取りに要する時間、現金を管理する時間、現金を計算する時間に加え、盗難や横領などにあうリスクもあるのも事実です。
そこで、小売店がキャッシュレス化の仕組みをためらっているコストについて、りそな銀行が無償で決済端末を加盟店に配布することにより、キャッシュレス化へのハードルを下げ、現金を扱うことによる目に見えないコストやリスクも減らすとができます。
りそな銀行は無償提供した端末から購買データを取得し、AIでデータを処理することで、「情報ビジネス」での収益を上げることができるため、他の銀行に先駆けて端末を無償配布することで、顧客の囲い込みができるメリットが生まれます。
LINEなどもそうですが、最近は、無償でプラットフォームを提供して、集まった顧客に対してビジネスを展開していくビジネスモデルが本当に多くなりました。
銀行においても、自分たちの存在を脅かすキャッシュレス化にあえて参入していくことを見ていると、お金の流れが変わっていくのが遠い将来の話ではないような気がしています。
最近は、福岡の屋台でもキャッシュレス決済の実証実験が行われているようですが、小銭のやり取りが多くて管理が面倒な少額決済こそ、キャッシュレスの恩恵があることを感じてもらえるといいですね。