住宅ローンを利用してご新居を建築された場合、工務店からお客様に建物の引渡しを行う前に、関係者が銀行に集まります。そこで、登記に必要な書類がすべてそろったことを確認し、銀行に住宅ローンを実行してもらい、お客様から工務店に建物の請負代金を支払うことになります。
住宅ローンを実行する際には、新居を担保にするための契約書に、お客様が署名する必要があり、住宅ローンの実行を行う「決済」の日ではなく、事前に「金消契約」と呼ばれる日時が設定されます。
決済も金消契約も、原則銀行で行われるのですが、最近では、この金消契約の日にすべての書類や工務店等への振込み伝票の記入を行い、決済当日は関係者が誰も集まらず、私たち司法書士が登記を申請した後に発行される受付票を銀行にFAXすることによって、請負代金が振り込まれるという方法を採用することが多くなってきています。
この方法で行うと、お客様が金消契約と決済の2日とも会社を休む必要がなく、1日の休暇で済むからです。
この方法を使う場合は、決済の日にお客様とお会いすることができないため、その数日前に行われる金消契約に司法書士が立ち会って、銀行の手続きに必要書類のほか、お客様から必要書類を預かったり、委任状に署名をいただく必要があります。
たまたま今回は金消契約に指定された日に予定が重なっていたため、銀行で行われる金消契約の場ではなく、お客様と直接お会いして書類のやり取りを行わせていただくことになりました。
たまたま今日が、工務店によるご新居の引渡し前説明会があるとのことで、ご新居でお客様とお会いすることになり、本日現地に訪問してきました。
不動産会社と異なり、私たち司法書士が不動産の手続きをする際に現地を確認することはほとんどありません。法務局で取得する登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面や不動産会社からFAXをもらう売買契約書などの書面で対象物件を確認し、登記手続きに必要な書類を受領したら登記申請を行うのであって、手続きのたびに現地を確認することはしておりませんし、確認する義務もありません。
よって、登記事項証明書や図面からわかる無味乾燥な地番や数字などでしか、建物の情報を窺い知ることができないのですが、久しぶりに新築の現場に訪問させていただいたことで、お客様の夢のマイホームの手続きをお任せいただいていることを、改めて認識しました。
現地には、工務店の担当の方をはじめとし、大工・水回り・電気・外構工事の担当者が勢ぞろいをし、説明会の慌しい時間にもかかわらず、先に時間を割いていただき、無事書類をお預かりさせていただくことができました。
書類だけのやり取りだけをしていると、つい手続きのことだけを考えてしまいます。その手続きに至るまでの背景やお客様の思いにも寄り添っていかなければ単なる事務作業となり、お客様へのサービスにはなりません。
そんな、当たり前のことが普段から出来ているのか・・・・・・、考えさせられる日となりました!