遺言書を作成したとしても、遺言者はいつでも遺言の全部又は一部の内容について変更することができます。
新たな遺言書において、以前作成した遺言内容を撤回する旨を記載し、改めて遺言をするのが一般的ですが、遺言者が故意に遺言書を破棄した場合も遺言内容を撤回したものとみなされます。(民法1024条)
自筆証書を作成していた遺言者がその遺言書をビリビリに破ってしまえば、物理的にも遺言内容が分からなくなってしまうため、当然のことと言えるのかもしれません。
ただし、公正証書遺言の場合は注意が必要です。
というのも、原本は公証役場で保管されており、遺言者の手元にある遺言書を破棄したとしても、あくまでそれは原本ではないため、遺言内容を撤回したことにはならないからです。
よって、公正証書で遺言を撤回する場合は、新たに作成する遺言書の中で、以前の公正証書遺言を撤回する旨を記載することが一般的です。
遺言書は何度も作り直すことが出来ますが、後でどの遺言書の内容が有効なのかシンプルに判明するよう、前の遺言を撤回して新たな遺言書を作成することをおすすめします。