今日は、あるお客様の遺言書作成の打ち合わせがありました。実は、そのお客様から遺言書作成のご依頼をいただくのは2度目のこととなります。
最初のご依頼は数年前でした・・・・。
ご主人が闘病をされており、医師からも余命宣告がされていたのですが、お二人の間にはお子様がいらっしゃらなかったため、そのままお亡くなりになられてしまうと、住居や預貯金等がご主人のご兄弟にも相続されてしまう状況でした。
そこで、ご主人のご意向も確認しながら、奥様に財産が承継されるように遺言書を作成し、ご主人のご兄弟からクレームがつかないように、遺言書の最後にご主人のお気持ちを付言事項として、書き記して残すようにしました。
また、公正証書遺言を作成する際、闘病で長期間つらい思いをしないように、尊厳死に関する要望も公正証書にするお手伝いをさせていただきました。
遺言書を作成して数か月経過した後、残念ながらご主人はお亡くなりになられたのですが、遺言書を残していたためにご主人のご兄弟と奥様との間で、相続争いで揉めることなく、現在にいたっています。
ということで、遺言書の重要性を認識されている奥様が、今回はご自身の遺言書の作成を、当事務所にご依頼をいただきました。
奥様の年齢は還暦前でいらっしゃいます。「まだ遺言しなくてもいいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「万一がいつ起きる?」かや「その時がいつ訪れるか?」がわからないのが人生です。
ご主人に遺言書を作成してもらったことで、予期せぬ争いに巻き込まれることなく相続の手続きを進めることが出来たメリットをご自身が実感されていらっしゃいましたので、ご自身の終活に関することを後回しにすることなく、前倒しで遺言作成することを決断されたようです。
日々の業務でご相談に対応させていただく中で、「やっぱり、あの時、〇〇しておけばよかった・・・」と後悔されるお客様が少なくありません。
そもそも、「〇〇しよう!」と思わなければ後悔することもないのでしょうが、〇〇についてのリスクに気づきながら行動せず放置している中で、〇〇の問題が顕在化してしまった場合は、悔やんでも悔やみきれないと思います。
思い立った時に早めにリスクに対応することの重要性や先送りのリスクについて、今一度考えさせられる事案でした。