今年4月に池袋で発生した事故をはじめとして、各地で高齢者の方の自動車運転事故が多発しています。
地元紙の記事によると、私どもの事務所がある相模原南警察署管内には、65歳以上の運転免許証保有者が約3万人いらっしゃるようです。そのうち、昨年の免許証の返納者は月に平均73人だったそうなのですが、池袋の事故発生後の5月には月134人とほぼ倍増したそうです。
多発する高齢者の事故によって、決して他人事ではなくなってきていると考えられた方が増えてきていると思われますが、そもそも、加齢によって判断能力が低下していると思いつつも免許証を返納されない理由にも焦点をあてて考えていく必要もあると思います。
それは、今まで何十年も運転してきたのに、免許証を返納するということは、今までやってきたことが出来なくなってしまったという現実に向きあわなければならない「喪失感」が理由の一つにあるのでは・・・・と感じます。
ですから、そのような感情に配慮することなく、周りの家族が「もう運転が危ないから、返納してよ!」と勧めても、まだ自分は運転が出来るのに・・と、拒否反応が出てしまいかえって逆効果になりかねません。
このことは、終活や事業承継に関する場面においても、周りのご家族が最大限に配慮してあげてほしいポイントだと思います。免許証を返納する際や次の世代にバトンタッチする際には、ご本人のそのような気持ちに寄り添うことで、ご自身が納得されて現状を受け入れることができるようになるのかもしれませんね。