登記手続きを行う際、添付書類が外国語で記載されている場合は、日本語に翻訳した文書も一緒に添付する必要があります。
外国人の方が不動産登記の当事者となる場合、在日韓国人の方の相続登記で韓国の戸籍を取り寄せる場合、外国語で記載されている議事録を添付する場合など、添付書類に記載されている文字は日本語に翻訳しなければなりません。
当事務所で翻訳をすることは出来ないため、お客様が翻訳可能な場合はお客様にお願いしたり、その道のプロである翻訳会社に依頼するなどして対応しております。
今回の「翻訳」は、通常とは違う、珍しい翻訳を業者の方にお願いすることとなりました。
翻訳する文書は、外国語ではなく日本語なのです・・・(笑)
現在、ある資産家の方の跡継ぎ支援をさせていただいているのですが、その過程でご自宅から「訓諭」と書かれた古文書が見つかりました。
単語はかろうじて読めるのですが、古文書なので全体の意味がわかりません。古文書中には歴史的な人物の名前も登場しており、ぜひとも古文書の内容を知りたい欲求にかられました。
お客様の表情からも、内容を知りたいとの意向が読み取れましたので、「翻訳する業者を私どもで探しましょうか?」と提案して、古文書をお預かりすることとなりました。
お客様から古文書を預かったものの、「そもそも古文書の翻訳を扱っている業者はあるのだろうか?」と思いつつスタッフに探してもらったところ、古文書専門の翻訳業者が見つかりました。
何度かメールでやり取りをさせていただきましたが対応も問題なく、費用も想定内の範囲でしたので、その業者に依頼をさせていただくこととなりました。
1週間ほどで翻訳できます・・とのことでしたが、約束どおり、翻訳が今日完成しました。
出来上がった書類を一読しましたが、やはりその道のプロは違いますね!
筆記体で記載されていた古文書を「原点篇」として、ワード文書にすべて打ち直しをしていただいて、文字としてはハッキリと読める状態となりました。もちろん、これだけでは漢字が読めても意味がわからないため、「解説篇」として、仮名文字に変換した読み下しと現代語訳がついており、古文書に書かれていた内容が一目瞭然となりました。
単に現代語訳をしていただいただけでなく、古文書を書いた方が誤記したと思われる箇所を指摘されていたり、その時代の背景までが注釈として補足されており、単に読みにくい筆記体の文字を解読するだけではなく、歴史の事を知りつくしたプロによる読み手を意識した翻訳がなされており、顧客満足度の高い仕事を見ることができました。
翻訳された文書は今後、豪華な表紙できちんと製本され、桐の箱に入れて送付してくれる予定となっており、〇〇家の新たな家宝となること間違いなしです。
古文書の翻訳をするという発想は最初から頭にあったわけではありませんが、お客様のニーズを拾ってあきらめることなく行動することの大切さやプロ意識の高い仕事を学ぶ機会となりました!