今日、約1年近くを費やした跡継ぎ問題の第一関門を無事終了することができました。
相談者からのヒアリングや関係者との家族会議などを重ねて、ようやく一つの形として合意することになりました。その手続きの一つとして、養親になる方と養子になる方とそのご親族と私たち全員で市役所に出向き、養子縁組の届出を提出してきました。
当事者の全員が役所に出向くことなく、婚姻届けと同様に窓口に養子縁組届を提出するだけですむのですが、これからの人生の中で大事な節目の日となるため、あえてセレモニーとして集まってもらいました。
結果的に、手続きが終わった後にすがすがしい表情をされていたので、やはり役所まで足を運んでいただいて良かったと思いました。
養子縁組の手続きをしていて、いつも感じることが、法的効果に対して添付する書類のバランスが取れていないということ。
養子縁組の届出が受理されれば、養親と養子との間に親子関係が発生することになります。
つまり、養親が亡くなった場合は、養子は相続人として養親の財産を相続することができるようになるわけです。しかしながら、養子縁組の届出に押印する印鑑は認印で大丈夫ですし、もちろん印鑑証明書の添付は必要ありません。
平成20年5月1日の戸籍法改正から、養子縁組の届出を行う場合は運転免許証などで本人確認をする扱いにはなっているとはいえ、認印での手続きではなく実印と印鑑証明書も要求することで、成りすましや不正な届出がされないようにしてもいいのでは・・・と感じます。
不動産登記、預金、有価証券などの相続財産を取得する手続きをする場合にも、実印と印鑑証明書が必要となるわけですから、そもそも相続関係を生じさせるという法律効果のある養子縁組の届出の手続きに印鑑証明書なしで認印で出来るというのはどうも引っかかりますね。
いずれにせよ、お互いが納得してご自身の意思に基づく届出が必要であることは言うまでもありませんが・・・。