昨日はブログを書き上げて、公開のボタンをクリックしたつもりでしたが、うまくアップされていなかったようでした・・・。ということで、本日2つのブログがアップされておりますが、まとめてご覧いただくと幸いです!
さて、相続対策の必要性をお伝えする際、「うちは財産が自宅だけなので、大丈夫!」「みんな仲が良いのでうちの家族に限って揉めることはないよ!」というフレーズを、度々お客様からお伺いします。
資産家のドロドロした人間関係から生じるサスペンスドラマや芸能人の相続財産をめぐる骨肉の争いがテレビで取り上げられていることが影響しているせいか、「自分とは関係のない世界で起こるもの」という意識を持たれている方が多いためではないかと思います。
実は、遺産がご自宅だけ・・・とか、ご自宅と現金が少し・・・という方の方が相続争いに発展する可能性が高いともいえます。
子供が相続人となるケースで、各相続人がそれぞれご自分の家を所有している場合は、相続財産である実家を売却して現金化できれば、平等に遺産を分けることができます。しかし、相続人のうちの一人が実家に住んでいるなど、相続人のうちの一部の方だけが相続をする必要がある場合、他の相続人が相続分を主張すると、現金のように家を分けることができないため、相続について争いが起きる原因となってしまいます。
また、遺産がご自宅と現金が少しといういったケースも、相続する価値の相違に納得できない相続人がいらっしゃった場合、ご自身の現金から価値の差額に相当する分を代償金として支払ったり、遺産分割についての協議がまとまらないこともあります。
また、一家の大黒柱がお亡くなりになった途端、人間関係のパワーバランスが崩れ、生前には思いもよらなかった争いが相続人間で起こるということもありますし、相続人間は仲が良くても、遺産分割をする際に相続人の配偶者が口出しをし、相続争いにつながってしまったこともありました。
ちなみに、裁判所の統計では、平成28年度に遺産分割事件の調停が成立した件数のうち、遺産額が1000万円以下の事件が約33%、1000万円超5000万円以下の事件が約42%となっております。
つまり、遺産額が5000万円以下の事件が全体の約75%となっており、全体の4分の3を占めているということになります。
一方で、遺産額が1億円を超えている遺産分割事件は全体の約7%であり、相続争いの多くは、資産家などの遺産が多いケースではなく、実は、1000万円以下の遺産をめぐっての争いが全体の3分の1も起きていて、決して他人事ではないことが統計上からわかります。
相続が「争族」ではなく、残されたご家族への「想族」となるように、元気なうちに検討されてみてはいかがでしょうか?