オーディオ機器や車のナビゲーションシステムなどで有名な「パイオニア」が外資ファンドに買収され、上場廃止となることになりました。
買収するファンドは、パイオニア対して770億円を出資が予定されており、2つの方法によって出資が行われることになります。
買収のスキームですが、買収ファンドがパイオニアに対して貸し付けている債権を現物出資をして、1株につき50円の払込金額で500,000,000株分の発行株式の割当を受けます。
つまり、現物出資によって50円×5億株=250億円を出資することになります。
同時に、金銭出資もあわせて行い、1株につき50円の払込金額で、1,040,000,000株分の発行株式の割当を受け、50円×10億4000万株=520億円を金銭出資することとなって、現物出資と併せて770億円の出資が行われます。
ちなみに、現在の発行済み株式総数は383,340,936株で、上記の新株発行の効力が発生すると、新たに1,540,000,000株が発行されるため、合計で1,923,340,936株がパイオニアの発行している株式の総数となります。
その後、既存株主からの株式をすべて買い取るため、450,000,000株につき1株に株式を併合する手続きが行われます。450,000,000株を所有していない株主、つまり今回買収するファンド以外の株主は1株に満たない端数となってしまうため、最終的には端数の持ち株に応じて金銭が交付されることで、株主としての地位がなくなり、買収が成立することとなります。
上記の手続きを行うためには株主総会での承認が必要となりますが、株主に交付される予定の金銭は現在の株価の25%安ということですから、株主も複雑な心境かと思います。
パイオニアはその名のとおり、開拓者・先駆者という意味ですが、ここ最近はスマホなどの台頭による環境変化に対応できていなかったようです。
買収後は、名前のとおり、新しい領域を切り開いていくことが出来るでしょうか・・・。