今日は朝から平尾さんの遺産をめぐる報道がされていました。
後妻の方が60億円もの資産を独り占めするためにいろいろと画策していたなど報道がされていましたが、果たして真実はどうなんでしょうかね?
まずは、遺産金額の大きさに驚きです・・・。
この事件の報道を見て感じたことが2つあります。まず一つ目は、再婚の際はお互いの親族に根回しをしたうえでなければ、お互いに疑心暗鬼となってしまって、成すことすべてが悪い方向に行ってしまうということ。
もちろん当初から財産を狙っているのであれば論外ですが、そういった気がない場合でも、根回しを行っておかなければ遅かれ早かれトラブルに発展してしまうんだなと感じました。
今まで相続に関する相談を受けた中でも、再婚相手の方が親族に挨拶なしに籍を入れることに対して、不安や不信感を抱かれるケースに何度か遭遇しています。
特に高齢になってからの再婚であれば、「財産を狙っているのか?」と思われるのが普通でしょうから、通常よりも配慮する気持ちがあったほうがいいでしょうね。
今回の騒動でも、自分たちが気が付いたら籍が入っていたことへの不信感がトラブルの要因の一つと感じられます。
二つ目は、平尾さんが経営していた会社の役員に、後妻の方が就任した手続きのことです。
後妻の方が役員に就任する際の株主総会に株主である平尾さんの相続人が呼ばれなかったという点です。もちろん、取締役などの役員を選任する際は、原則、株主総会の招集を決定し、招集通知でアナウンスし、総会当日に株主に議決権を行使してもらうということになっています。
ところが、中小企業の多くは、そのような手続きを省略し株主総会の議事録だけ作成して、取締役選任の手続きを行ってしまうということが実務では行われています。
私たちも、株主総会が本当に開催されたのか、すべての会社の株主総会に出席したり、株主全員に確認するということは物理的に不可能なため、会社からのヒアリングベースで株主総会議事録を作成せざるを得ない場合があります。
そのような場合に、実は株主が対立していて、対立相手の株主には招集通知も送らずに株主総会も開催せず議事録だけ作成した・・ということになると、結果として私たちも何らかの責任が課せられることもあり得るので悩ましい限りです。
この平尾さんの会社の手続きを、紛争のリスクがあることの背景を知らされることなく、同業の司法書士が依頼を受けて担当していたとすると、ちょっと同情してしまいますね・・・。