昨日は、普段お世話になっている方からロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のクラシックコンサートにご招待していただき、4名で上野動物園そばの東京文化会館に行ってきました。
S席の前の方の真ん中という絶好のポジションで鑑賞できたおかげで、管弦楽団による迫力ある演奏も素晴らしかったのですが、会場が一番感動に包まれたのは、辻井伸行さんのピアノでした。
テレビで、盲目のハンデを追いながらピアニストをされているということは知っていたのですが、実際に目の前でのピアノ演奏を聴いて今まで感じたことのないような感動を味わうことが出来ました。
舞台の袖から登場される際も、目が見えないため指揮者に腕を組んでもらいながら、演奏するグランドピアノに向かっていかれます。着席し、一呼吸置いてから体全体でリズムを取りながら、力強く鍵盤を縦横無尽に叩いていきます。
今回演奏されたのは、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18番」 第1楽章から第3楽章でした。ピアノのリズムのテンポがはやい曲なため、間近ですばやく動く指使いをじっくりと見ることもできました。
私も幼稚園から中学生までピアノをしていた時期がありました。当時は、一目楽譜を見ると指が勝手に動くという状態にまで毎日練習をしておりました。(やめてから一度もピアノを弾いていないので、現在は楽譜を読むこともできないと思いますが・・・)
辻井さんは、生まれつき盲目ですから私と違って楽譜を見て練習をしたわけではありません。耳を研ぎ澄ませて音を一つ一つ丁寧に聞き分けていき、ピアノに再現していくということを繰り返し行ってきた積み重ねで、目が見えなくても鍵盤の位置を正確に把握し、一度音を聴くだけで頭の中に音符が無意識のうちに描かれていくのではとないかと思います。
一流とかプロとかそんなレベルでなく、まさに神の領域と言ってもいいのではと思います。魂が鍵盤に乗り移っていく瞬間を見ることができました!